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九条静音の黒執事妄想劇場
セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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「甘く哀しい痛み 5 」純情セバシエ少しアダルト風味・・・
 ぴよ様お元気ですか?
我慢出来ずその少し・・・
更新遅めで申し訳ございません(>_<)
PCの暴走でぶっちぎれてますが・・・


           「甘く哀しい痛み 5 」 
 セバスチャンは主の為に黙々とスイーツを作る。
 全ては、主の為だけに動くのが執事としての美学だから・・・
 では悪魔としては?
 欲しいモノは欲しい・・・
 今まで欲望に忠実に動いてきたのに・・・
 「私としては甘いですね・・・」
 『らしくしろ』
 主の命令通りに、人間らしく振る舞ってきたせいだろうか?
 本当はベッドに押し倒して、その小さな体を開いて、自分だけのモノにしたい・・・
 もう無垢とは言えない主だから・・・
 誘拐されていた一カ月の間、人間の男達に凌辱されていた主。
 それでも心は魂は穢れていない。
 悪魔に取っては魂が全て・・・
 器である肉体が穢れていようと構わない。
 自然と顔がにやけてしまいそうだ。
 主の喜ぶ顔が見たくてつい、張り切ってしまう。
 「まぁまぁだな・・・」
 明らかに嬉しそうなのに、言葉は曖昧で・・・
 「それはようございました」
 そう返す自分。
 セバスチャンは苦笑する。
 契約者が望んだから忠実な自分に・・・
 今までならすぐに飽きて、魂を喰らう為に、その命を奪ってきたのに・・・
 「坊ちゃん・・・私は貴方が・・・貴方の全てが欲しい・・・その時は、手加減しませんよ・・・」
 いつかそうなる日をセバスチャンは願う。
 そんな時だった。
 「坊ちゃん?」
 珍しく過去に囚われ、悪夢の中にいる主の異変に気付いた。
チッ・・・
  はしたなくセバスチャンは舌打ちした。
 スイーツは出来上がり、深夜に甘い時間を過ごそうと想っていたのに・・・
いつまでも人間の子供である限り、主の心は過去に囚われる。
 (いっその事同族にしてしまいましょうか・・・)
 そんなバカな事が頭を過る。
 闇の中で蠢く存在。
 悪魔・・・
 主がそんなモノになったら、自分は興味を無くすだろう・・・
 「今行きます・・・坊ちゃん!」
 主を現実に引き戻す為に・・・
 カッカッカッ・・・
 周りも気にせずに、主の部屋まで足早に移動するセバスチャンだった。
 幸い、使用人達には、深夜の甘いひと時を邪魔されない様にと、早めの就寝を言いつけておいたので、誰にも見咎められる事はなかった。
 「坊ちゃん!」
 異変の最中にいる主に、許可されずとも、自分だけは自由に私室に出入り出来るのは、執事の特権だろう。
 「あっ・・・あっ・・・くるなぁ・・・」
 震える主の前に進み出る。
 「坊ちゃん・・・貴方は、いつまでも過去に囚われていらっしゃる・・・そんな貴方は貴方らしくない・・・」
 セバスチャンは瞳を赤く変えて、無意識に近づいていた。
 「嫌だ~くるなぁ~」
 主の目には、最早自分は映らない・・・
 それが妙に苛立つ・・・
 ガリッ・・・
 無我夢中で空を切る指先が、シエルに近づくセバスチャンの顔を引っかいた。
 頬から垂れた血を舌で舐め取りながら、怒りに燃えるセバスチャンだった。
 自分を見ない主を許せなくて。
 「坊ちゃん・・・私を見て・・・その瞳で私だけを見て・・・」
 セバスチャンの悪魔の部分が、支配する。
 暴れる主をベッドに押しつけた。
 その体に伸しかかり、唇を奪っていた。
 「んっ・・・はっ・・・」
 何度も何度も唇を重ねて・・・
 バシッ・・・
 「お前何をしてる!」
 「ああ・・・やっと正気にお戻りですか?」
 唇は噛まれ、血が滴り落ちる。
 それでもセバスチャンはシエルからどかなかった。
 「どけ!主を押し倒して、それでも執事か?やっぱり悪魔だな、執事の美学はどうした?」 
 「貴方が下らない過去にいつまでも囚われていらっしゃるからですよ。貴方が正気に戻ったか、確かめたいだけですよ・・・」
 「もう満足しただろう・・・こんな事で正気に戻すな・・・」
 主の顔は真っ赤だった。
 主の初めてを奪った者達は、キスなどしなかったのだろう。
 ファントムハイヴの子供を穢すだけが目的だったのだろうから。
 「申し訳ございません・・・他に方法を想いつきませんでしたので・・・」
 顔をそ向けられては、これ以上何をする事も出来ず、主を解放するしかなかった。
 「お詫びに、スイーツをお持ちしますから、許して頂けますか?ご主人様?」

「甘く哀しい痛み 4 」ぴよ様リクエスト、セバシエ
 お待たせしました((+_+))
 ぴよ様お元気ですか?
 私は内臓までボロボロで・・・
 落ち込むと書きたくなるセバシエ♥
 中々進展しない純情セバシエをお届けします(*^_^*)


   「甘く哀しい痛み 4 」 
 パタン・・・
 ドアを閉めセバスチャンは微笑んでいた。
 (可愛いですね・・・)
 シーツに潜ってたとしても、自分は悪魔なのだ。
 シエルの表情など丸解りで・・・
 自分だとて悩んだ。
 獲物を愛したなんて・・・
 何れは魂を奪い、それは殺す事を意味する。
 悪魔に取って魂は糧・・・それでも只、食べるだけではないのだ。
 今までの悪魔の中でも、モノ好きはいた。
 魂をコレクションとしていつまでも喰う事はせずに飾っていた者もいた。
 体など、魂の器に過ぎず、愛する対象と見る筈のない悪魔でも、魂を奪った後、不老の処置を施し、人形の様に愛でた者もいた。
 悪魔なのだから・・・
 人間の様には愛せないのだ。
 只優しいだけでは物足りない。
 何れは飽きて殺す日が来るだろう・・・
 (貴方は私を退屈させてくれない。精々楽しませて下さいね・・・契約が嘘に変わる日まで・・・)
 魂を喰らい、シエルとしての存在を消すのが
『坊ちゃんの望み』だから・・・
 もう契約が終了する事はないのだから・・・
 生かしたままいつまでも自分の傍において・・・
 (貴方は怒るでしょうね・・・)
 勝気な主の怒りが目に浮かぶ。
 復讐は叶えてやっても
『死』と言う自由は与えてやれないから・・・
 (愚かですね、私は・・・)
 獲物を愛した瞬間、悪魔は破滅すると言う。
 悪魔に愛された人間も神かから見放され、永遠に魂の安息はない。
 未来永劫、悪魔の隷属となる。
 主だったシエルはセバスチャンの奴隷も同然になり果てるのだ。
 それでも手放せない。
 神がシエルを放置するか否か・・・
 最も、手出ししようものなら、自分の全力でシエルを守るだけ・・・
 神は自ら動く事はしない。
 天使を使わし、使役するだけの存在。
 シエルに不幸を齎せなかったら、出会う事はなかった。
 感謝すべきなのか?
 シーツの中で、目を瞑り必死で寝ようと努力してる主に苦笑するセバスチャン。
 「私をここまで本気にさせたのですから、逃がしはしませんよ」
 シエルに聞こえぬ声で言うと、セバスチャンは悠然と歩き出す。
 シエルのスイーツのリクエストを叶える為の、下準備をしに厨房へ・・・
 一方、シーツに包まるシエルは悶々としていた。
 いつもは眠れるのに、一向に眠気はこない。
 「ハァ・・・何だって言うんだ・・・」
 まるで熱が出た様に、頬は真っ赤でホカホカしてて・・・
 エリザベスを初めて見た時、ドキドキしたのと似ていて・・・
 感情の制御が出来ない事実に苦笑する。
 「流石は悪魔だな・・・」
 シエルは人間だ。
 セバスチャンとは違う。
 自分の感情の高ぶりの理由などすぐ解る。
 それでも、そのままに行動する事は出来ない。
 相手が悪魔なのだから・・・
 セバスチャンが人間だったら良かったかも知れない。
 油断しても傷つくだけだから・・・
 「滑稽だな・・・僕は・・・」
 自分の為に悪魔の手を掴んだ。
 自分の尊厳の為だけに・・・
 両親を片われを殺された恨みは忘れない。
 それでも復讐はあくまで自分の為で・・・
 エリザベスと結ばれて、幸せになる事も出来ず・・・
 「悪魔の手の中で踊るか・・・」
 この先どうなるかは、自分には解らない。
 感情のままに行動すれば、
『シエル・ファントムハイヴ』でいられなくなるから・・・
 「全てはアレの行動一つ・・・」
 クヨクヨしても仕方ない。
 なる様にしかならない。
 諦めたら眠気がきた。
 「おやすみセバスチャン・・・」
 厨房にいるセバスチャンには聞こえただろうか?
 シエルはスヤスヤと眠る。
 明日からの日常に戻る為に・・・
                       5に続く・・・
                 H26.7.19 P2:51

「甘く哀しい痛み 3」ぴよ様リクエスト純情セバシエ
 ぴよ様お元気ですか?お身体大丈夫でしょうか?
 お待たせ致しました(*^_^*)
 一ヶ月過ぎてしまいました((+_+))
 仕事がハードで肘やられていました・・・
 いつもコメント頂きありがとうございます。
 お返事出来ずすみません(>_<)
 少しの更新ですが、楽しんで頂けると嬉しいです♥
 
「甘く哀しい痛み 3」
 
(本当に素直じゃないですねぇ・・・)
 悪魔でなくても溜息を吐いてしまう。
 鈍感なる主には・・・
 悪魔の美学を棄ててでも、守りたいと想っているのに・・・
 だからこそ、手に入れたいのかも知れないが・・・
 諦めるなど悪魔には無縁。
 欲しいモノは欲しい・・・
 主の心が欲しいと想った瞬間セバスチャンは心を決めた。
 何れ復讐は終わる。
 それが何年かかろうと、悪魔の自分には些細な事。
 その時、主がどう動くか?
 それまでに、自分と共に歩む道を選ばせる様に仕向けるだけ・・・
 誘惑で魂を得る存在が悪魔。
 人であるシエルには、拒む事など出来はしない。
 自分と契約をした以上、欲望に塗れている証拠なのだから。
 (坊ちゃん・・・最後の瞬間まで私は悪魔で執事ですから・・・)
 主の望まぬ事はしたくない。
 力ずくで体を奪う事をすれば、シエルは心を閉ざす。
 それならば、自覚しない心の奥底に入り込み、自ら、体を開かせる方が賢明だろう。
 待つのには慣れている。
 長い長い、気の遠くなる様な刻を一人で孤独に生きてきたのだから・・・
 「んっ・・・美味い・・・」
 滅多にない主の褒め言葉。
 「それはようございました」
 執事らしく返す自分。
 シエルとの生活に慣れ、すっかり執事としての所作が染みついた自分。
 例え、気が変わり、主の魂を喰らったとしても、次に人間と契約する事などないだろう・・・
 これが最後の契約・・・
 悪魔がアダムとイブを誘惑したとされるリンゴから作られたコンポートを美味しそうに頬張る主を見て、セバスチャンの瞳が赤く輝くのに、シエルは気付かない。
 (悪魔の私をここまで堕としめて・・・覚悟なさい坊ちゃん・・・)
 シエルはセバスチャンの思惑に気付かないまま、デザートを平らげていった。
 「ごちそう様・・・ちゃんと明日もスイーツ作るんだろうなぁ?」
 「喜んでる割には、脅迫めいてますが・・・何かリクエストはございますか?」
 セバスチャンはクスクス笑っていた。
 「煩い!笑うな・・・んっガトー・ショコラがいい」
 「かしこまりました。では暫くおやすみ下さいませ。少し腫れて熱っぽいですからね」
 「わかった・・・では楽しみに待ってる」
 手をシッシと降るシエル。
 用が済めば、執事は要らない。
 「では失礼します」
 ドアを閉め、退出するセバスチャン。
 シーツに潜り、シエルは寝ようと必死だった。
 少しでも早く回復しなければ、仕事が滞る。
 何より、セバスチャンは自分をお姫様抱っこで移動しかねない。
 そんな子供ではないのだが、悪魔で執事の美学には、逆らう気もおきない。
 (契約だからって普通、悪魔がここまでするのか?)
 ドキドキと胸が激しく動き出す。
 先程より顔は真っ赤で心臓は、胸を突き破って、飛び出そうだった。
 先程、盗み見たセバスチャンの顔を思い出して・・・
 (こんな感情は知らない・・・要らない・・・)
 復讐に生きる自分には必要のない感情・・・
 それでも自覚し出した感情は止まらなかった。
                     4に続く・・・
          H26.5.25 P12:12

「甘いひととき」TLにてリクエストR-18 セバシエ
 姫坊様お待たせしました(*^_^*)
 甘くないセバシエになっちゃいましたが・・・ 
 少しでも楽しんで頂けたら幸いです。


            「甘いひととき」
 「セバスチャン寒い・・・」
 「私は冷たいですよ・・・」
 悪魔なのだから、体温は低い。
 解らない筈はないのに、今日に限って抱きついてくる主・・・
 「だから・・・解らないのか?」
 フゥッ・・・溜息までつかれる始末。
 「失礼しました・・・では・・・」
 
 「違う!そうじゃない・・・」
 ザブッとシエルを抱いたまま、バスタブにつかるセバスチャンは、シエルに怒鳴られた。
 「ああ・・・また怒らせてしまいましたか・・・」
 心なしかしょんぼりしてる執事にシエルは愉快そうな表情を見せた。
 「馬鹿悪魔・・・」
 チュッ・・・
 珍しい主からの口づけ・・・
 「坊ちゃん・・・」
 暴走した悪魔は止まらない。
 「あっ・・・ちょっ・・・」
 バスタブで全裸で口づけられて・・・
 頭がボ~とするシエル。
 執事の舌が指が主の体を這いまわる。
 「ま・・・待て!命令だ!!!セバスチャン、寝室へ移動しろ!」
 「イエス・マイロード」
  
 「はっ・・・しつこい!いい加減・・・に・・・あっ・・・」
 「ご命令に従ったのですから、これからは私の自由にさせて頂きますよ」
 『命令は寝室以外だけが有効だ。寝室では適度にお前が自由に振る舞え!』
 ある日の命令は、セバスチャンに誘導されたものだったとシエルは改めて思い知らされた。
 自由がないだのあくまで悪魔ですから・・・などと理不尽なお願いを受理せられた様な・・・
 悪魔は人を誘惑する生き物。
 魅惑的な誘惑を拒否出来る人など存在しない。
 契約だけで結ばれているなら尚更。
 たまには甘い汁を吸わせてやらないと、殺されて契約破棄などされては堪らない。
 復讐に生きるシエルには、自分の体を悪魔に与えるなど、さして意味がない。
 既に同族の人に凌辱され、穢されきっているのだから・・・
 諦めたシエルは、快楽を与えるセバスチャンにその身を預け、感じるままに振る舞う様になっていた。
 痛みと恐怖と嫌悪しかなかった行為・・・
 SEXはシエルに取って拷問でしかなかった。
 それでは悪魔は楽しくない。
 優しく優しく、真綿に包む様に、体を解し心に沁み込んで、自身を覚えさせる所から慎重に抱いた。
 快楽の波に溺れさせる様に・・・
 自分の美貌に虜にならなかった人など存在しなかった。
 今でこそ甘えを覚えたシエルだが、契約の代償はシエルの名を得る為ものだとしても、悪魔を許せるものではない。
 自分で差し出した訳でなく、悪魔自身が渡り賃としたのだから・・・
 無くしたものは戻らない。
 先を進む為に必要だった憎しみの果てに叶うものは・・・
 「坊ちゃん・・・心ここにあらずですね・・・」
 寂しげなセバスチャンの言葉。
 何度抱いても、シエルの心まで奪えない。
 体は自分のモノとしても、心までは奪えない。
 「お前が誠心誠意尽くせばいつか叶うかも知れんぞ・・・」
 悪魔は万能ではない。
 人の心が読める訳ではないのだ。
 可能性に賭けているだけ・・・
 「いつか貴方の心まで私のモノにして見せましょう・・・あくまで執事ですから・・・」
 執事は主の絶対的信頼を手に入れられなければ成り立たない仕事だから・・・
 「精々頑張るんだな・・・」
 つかの間の快楽に身を任せる為に、シエルはセバスチャンの首に腕を回した。
                H26.5.19 P15:50

「甘く哀しい痛み2」ぴよ様お待たせしました。少し更新SS
 ぴよ様お待たせしてます((+_+))
 PCの暴走により少しだけですが、お楽しみ頂けると幸いです♥

    「甘く哀しい痛み 2」
 フワフワとする浮遊感・・・
 目を開ければ、優しげなセバスチャンの顔。
 シエルは目を開けた。
 しかし、そこにはセバスチャンの姿はなく・・・
 あれからセバスチャンの魔力により、シエルは眠り続け、医師の手当ては終わり、目覚めぬ婚約者を心配しながらも、エリザベスは屋敷に戻っていた。
 否、セバスチャンに言葉巧みに帰らされた。
 「つっ・・・」
 ズキッとする痛み・・・
 シエルは足首の痛みに呻く。
 「大丈夫ですか?坊ちゃん・・・よくお眠りになられてましたね。具合は如何ですか?」
 「多少痛いが捻挫か?」
 「はい、暫く安静にとの事です。お仕事の事はお預けですよ?目を離すと動いてしまいそうですので、私がつきっきりで看病致します」
 「お・・・お前がか?しかし、奴らを野放しにすると・・・」
 「大丈夫ですよ。よく言いくるめておきましたから」
 ニッコリと笑う悪魔で執事が恐ろしい・・・
 「解った・・・どうせこの足じゃ移動もままならん・・・んっもう夕食か?」
 「はい、お疲れでしたのでしょう。消化の良いように、リゾットにしましたが、お召し上がりになられますか?」
 「んっ・・・きのこたっぷりか?いい匂いがする。デザートは?」
 「勿論ございます。リンゴのコンポートですよ。お食事のお手伝いも・・・はいアーン」
 「は・・・恥ずかしいだろう?いい年して・・・」
 「私の落ち度ですからね、それくらいさせてくれてもいいでしょう?」
 「わ・・・解った・・・でもデザートくらい自分で食べれる」
 「素直じゃないですねぇ・・・怪我した時くらい頼って下さっても宜しいのに・・・」
 「そんな甘えは要らん・・・お前と僕らしくないだろうが・・・」
 「ではリゾットだけ・・・」
 フーフーと息を吹いて、冷ましてる悪魔は滑稽だった。
 そんなセバスチャンに何故か、シエルはドキンとしてしまう。
 (何でこんな・・・僕はこんな感情は知らない)
 ゲームは得意でも、恋愛感情には疎い
シエル・ファントムハイヴだった・・・
 赤い顔の主をこっそりと盗み見て、舌舐めずりする悪魔のセバスチャンの本心は何処?
                  3に続く・・・H26.4.10 P10:04
 
「甘く哀しい痛み」リクエスト、セバシエ
 ぴよ様おまたせしました(*^_^*)
 少し書いてみましたが、何故かシリアスムード・・・
 続きますので、暫くお預けプレイで・・・
 お身体大切に♥
 私も頑張ります(*^_^*)



                 「甘く哀しい痛み」 
 最近、私はおかしい・・・
 自分でも理解出来る程に・・・
 気紛れで、契約した主・・・
 全てを奪われ絶望した筈なのに、心は失わなかった。
 気高き、蒼い炎の様な激しさを持つ
シエル・ファントムハイヴ
 全ての秘密を知るのは、彼と私だけ・・・
 その事実が胸を甘く焦がす。
 「坊ちゃん・・・お目覚めの時間ですよ・・・」
 惨劇の後、一人生き残ったと言うのに、時折見せる無邪気な寝顔。
 永遠にこの顔は、私だけが知ればいい・・・
 そんな馬鹿げた望みすら抱く様になってしまった・・・
 一年は私に取って長過ぎた・・・
 「んっ・・・この香りは、ダージリンか・・・」
 「流石は坊ちゃん。はい、本日はマリアージュ・フレール社のダージリンでございます」
 「フフ・・・最近のお前の紅茶はまぁまぁだな・・・」
 時折、意地悪気な顔が緩む時がある。
 「ええ・・・掌にいきなり掛ける無茶苦茶な主人に仕えてますから・・・」
 言葉を選ぶべきだった・・・
 それきり主人は黙ってしまった。
 本来執事は、出しゃばってはならない。
 主人の問いに答えるだけで、嫌みなど・・・
 しかし、私は悪魔なのだ。
 どれ程、「人間らしく」装ってみた所で、本性は隠せない。
 醜く、えげつない存在の私。
 紅茶が終われば着替え。
 その後は、執事として主の為に、淡々と仕えるしかなかった。
 自ら選んだとはいえ、つまらない役回り。

 「いや~んシエルったら・・・」
 無邪気な笑顔。
 貴族の令嬢らしからぬ主の婚約者。
 使用人などモノでしかないのに、私にまで心を砕く。
 このまま何事もなく、主と結ばれていたら、幸せな家庭を築くのだろう。
 しかし、彼は私のモノなのだ・・・誰にも渡さない。
 誰にも奪わせない。
 「どうぞエリザベス様」
 「ありがとうセバスチャン。キャ~可愛い、素敵なケーキね」
 「恐れ入ります」
 心を隠し、そつなくこなす。
 急に現れては、主の心を乱す婚約者。
 彼女が真実に気付く事はないだろう・・・
 結ばれる前に、彼は私のモノになるのだから・・・
 主が女性だったなら、自ら私を求める。
 体を開く・・・
 全てをさらけ出し、契約半ばで私は興味を無くし、魂を喰らう事無く、打ち棄てるか、殺してきた事もあった・・・
 悪魔に取って重要なのは、魂だけ・・・
 人など只の餌だったのに・・・

 いつからだろう?
 この想いに気付いたのは・・・
 気付けば、セバスチャンを探す自分。
 復讐の為だけに契約した悪魔。
 憎しみだけに支配された強い想いが彼を呼んだ。
 無力な子供だった自分はもういない・・・
 ここにいるのは
シエル・ファントムハイヴ伯爵なのだから・・・
 真実を知るのは、セバスチャンだけでいい・・・
 エリザベスにも誰にも知られてはならない。
 悲しみを背負い、望みが叶った暁には、この魂はセバスチャンのモノ・・・
 彼に喰われて終わるこの命・・・
 それが僕の喜び。
 何れ彼の中で吸収され、僕と言う存在は消え去り、セバスチャンの糧となる。
 空腹な悪魔を満たしてやれるのは僕だけ・・・
 その想いは、胸を甘く熱く焦がす。
 この想いは僕だけのもの・・・
 彼に知られてはならない。
 僕だけの甘い秘密。
 そんな2人に訪れた変化・・・
 あの日の出来事・・・
 「でね、シエル・・・もぅ・・・ちゃんと聞いてる?」
 「んっ・・・ああ・・・」
 「あたしの話何て聞いてないのね・・・もう!許さないんだから・・・そうだ!あたしを捕まえてくれたら、許してあげる♥」
 突拍子のない婚約者の申し出を渋々受ける主に笑いを噛み殺す私。
 只、それだけの筈だったのに・・・
 それは起きた・・・
 走り出すエリザべス様を追いかける坊ちゃん・・・
 デスクワークばかりで、体の訛ってる坊ちゃんと違い、活発なエリザべス様は、調子に乗って走っていた。
 「危ない!エリザべス!!!」
 「坊ちゃん!!!」
 悪魔である私には、主人を何事もなく助けるなど、朝飯前。
 しかし、
「人間らしく」そんな言葉に縛られ、動けなかった・・・
 木に足をとられ、転びそうな婚約者を身を呈して守った主。
 ドサッ・・・
 チュッ・・・
 悪魔である私には全てが見えていた。
 倒れる時に、主の頬に触れたエリザべス様の唇・・・
 心がざわついた。
 平常心を保てるのか・・・
 主の元に駆け寄った。
 「大丈夫ですか!坊ちゃん・・・」
 女性であるエリザべス様を思いやる心など持ち合わせてない。
 「ごめんシエル・・・大丈夫?」
 エリザべス様は自分で坊ちゃんの上から、起き上った。
 「んっ・・・だ・・・うっ・・・」
 足を痛めたのは、私には解っていた。
 「申し訳ございません。エリザべス様・・・坊ちゃんの足の具合を確認しますので、屋敷に戻りましょう・・・」
 執事らしく精一杯の声で、優しく言ったつもりだった。
 「ご・・・ごめんなさい・・・セバスチャン・・・早くシエルを診てあげて・・・」
 泣きそうな顔・・・
 しまったと思っても取り返しはつかない。
 後で主からお叱りを受けるだろう・・・
 それでも私は構わない。
 主の為に尽くすのが執事の私なのだから・・・
 例え、悪魔の美学を穢そうとも、自分の欲望に正直なのが悪魔なのだから・・・
 「タナカさん・・・坊ちゃんが足を痛められた様です。取り敢えず応急手当します。医者の手配をお願いします。そろそろエリザべス様も戻られますから、お相手も宜しく・・・」
 「心得ております。貴方は坊ちゃんの手当てを・・・」
 老人と言えど、主に私以上に忠実な家令は詮索はしない。
 職務を全うするだけ・・・
 私は主を手当てするべく寝室にお連れする。
 余程、酷く打ったのか、主は腕の中でじっとしていた。
 言葉を発しないのは、怒っているのかと思ってたが、そうではない様だ。
 そっと下ろし、救急箱から、手当の準備をする。
 「痛みますか?骨は大丈夫の様ですが・・・」
 「んっ・・・つっ・・・少し痛いだけだ・・・」
 顔を僅かに歪める主。
 肉離れが軽い打ちみの様だ。
 「申し訳ございません・・・執事にあるまじき行為を・・・」
 「お前は僕の執事だろう?だったら、何の問題もないだろう・・・」
 主の言葉にマジマジと顔を見てしまう。
 それでも主は責めたりはしなかった。
 名門伯爵家の執事が主の怪我の原因とは言え、婚約者を放置するなど前代未聞。
 彼女でなければ、婚約解消もあり得るだろう。
 「では何れ医者がきましょう・・・暫くお休み下さい」
 手早く着替えさせ、主を就寝させ下がる。
 下では大騒ぎだった。
 「セバスチャン、シエルは!」
 「大丈夫ですよ、エリザべス様。軽い打ちみの様なので、応急手当てしましたので、今はお休みになられてます。ですので、お静かに・・・」
 「良かった・・・」
 力なく床にへたり込むエリザべス様。
 「貴方達は仕事に戻って・・・くれぐれも大騒ぎなどして、坊ちゃんの安眠を邪魔する事などない様に・・・」
 「ではエリザべス様。おやつの用意をして参りますので、客間でお寛ぎを・・・タナカさんお願いします」
 それだけが精一杯。
 逆上してエリザべス様を手に掛けなかったのを褒めて欲しい。
 探れば主は、痛みの為に寝つけなくてシーツの中でモゾモゾと・・・
 「坊ちゃん・・・貴方に暫しの休養を・・・」
 一人厨房の中、左の契約印に口付ける。
 魔力を使用し、主の契約印を介して無理矢理眠らせた。
 医者がここまで到着するまでの安眠の為に・・・
              2に続く・・・
           H26.3.15 P3:46

アクセス数20000のお嬢様いらっしゃいませんか?
  ブログにキリ番があるのか不明なので、こちらからではアクセス数は解りません。
  20000踏んで下さったお嬢様には、
 「リクエスト企画」としまして、セバシエかシエセバの小説リクエストのお知らせをしましたが・・・
  20001のお嬢様から、残念とご連絡頂きまして、20000のお嬢様のご申請ない場合、繰り上げとさせていただく事としました。
  来週月曜日27日までに、申請頂けない場合、20001踏んで下さったお嬢様の繰り上げ当選?とさせて頂きます♥
  次回30000アクセスでも、小説リクエストお待ちしております。
  更新、焦らしプレイですが、健全でもR指定でも、ご自由にリクエスト下さいませ♥

20000アクセス記念リクエストお受けします
  最近一週間か二週間に一回の更新ですみません(>_<)
  記念としまして20000アクセス数踏まれたお嬢様の小説リクエスト御受けします。
  宜しければこの記念にどうぞ♥
  ブログ内フォームからメール下さいませ~
  黒執事キャラCPに限らせて頂きます。
  セバシエ・シエセバ・葬儀屋シエなどご自由にどうぞ(*^_^*)
  ただし20000打お一人様限定でございます。
  リクエストお待ちしております。
  内容はR-18健全どちらでもOKです(*^_^*)

「過去からの呼び声 第四章 別離」~後編 Ⅴ~二か月たちました・・・
 羽衣泡珠様リクエスト
 二か月放置で申し訳ございません(>_<)
 少し進みましたが、ラストに向けて次回頑張ります。
 設定が二転三転してしまってますが、破滅に向かって突き進む過去のセバシエ
 意外な人物とは?
 原作と重なる事態になる恐れがありますので、嫌なお嬢様は、ご覧になりません様に・・・



 「 過去からの呼び声 第四章 別離 」 ~後編 Ⅴ~
長い銀の髪をリボンで一つに束ねた人物・・・
過去のシエルの仕事に常に、付き従ったシエルの執事シルバーだった。
「何故?彼がここに・・・」
ウィリアムの不思議そうな声・・・
「ああ・・・ここは家人が泥棒などに襲撃された時、無事に隠れる事の出来る隠し部屋なのですよ。大抵の貴族の屋敷には作られていて、定期的に食料品の取り替えをするのですよ。それも執事のお仕事・・・」
ここは隠し部屋・・・
ベッドがズラリと並べられ、簡単な厨房なども用意されていて、当分の間、籠城出来る様になっていた。
シルバーの瞳は、綺麗な金色・・・
ライカンである証拠・・・
しかし、何故だか、三人は違和感を覚えた。
知らない筈の人物の筈なのに・・・
そんな三人の疑問に、天の声が・・・
「あれは、アンダーテイカーだ・・・ハンナは狼男と戦った事があったらしい・・・あの血の味はライカンだと、教えてくれた。過去のシルバーは、アンダーテイカーなんだと・・・」
 「坊ちゃん・・・血の味って・・・いったいいつ、葬儀屋の血の味を知ったのですか?」
 何だか、泣きそうな感じのセバスチャンがシエルに詰め寄る。
 シエルはウッと詰まってしまった。
 悪魔になってすぐの時ならいざ知らず、想いが通じ合った今、媚薬を口移しで、飲まされた時に噛みついたとも言えない・・・
 セバスチャンの目に涙が浮かんでる様にも見える。
 「も~う!鬱陶しいわね!!!セバスちゃんってそんなキャラだったかしら?そんなの媚薬を口移しで飲まされた時に決まってるでしょう?」
 「そんなにハッキリ言わなくても、いいじゃないですか・・・」
 セバスチャンはシエルを抱き締めたまま、本当に泣きそうだった。
 「そんな事より、何故、彼が過去のシルバーなんでしょうか?ライカンから死神に転生したのか、この時代では死んで、死神として転生したのか?」
 ウィリアムには、シエルが誰と何をしょうと関係ないのだ。
 「セバスチャン・・・いつの時代でもいい・・・ファントムハイヴの肖像画が揃っている時代に戻れば、その謎も解けるかも知れない・・・確証はないが、このまま、この時代に残っても無意味だろう・・・」
 自分にセバスチャンの子供を産ませ様としたアンダーテイカーの真意は・・・
 全ては過去のファントムハイヴ家にありそうだ。
 「イエス・マイロード・・・と言う訳で、グレルさんお願いします」
 シエルの命令でセバスチャンはキリッと立ち直るドヤ顔で・・・
 「立ち直り早!!!何で私が・・・」
 「もう一人の御方は、私どもの為になど、動いて下さらないでしょうからね・・・ねぇ・・・グ・レ・ルさん・・・お願いしますよ」
 悪魔の誘惑・・・
 満更でもないグレルはすぐ、セバスチャンに騙される。
 只、利用されるだけと解っていても・・・
 「はいはい・・・解ったわよ・・・」
 グレルは仕方なしに、時空を開く。
 過去のファントムハイヴへと・・・
 グレルに続き、シエルを抱き締めたセバスチャンが、空間に吸い込まれた。
 「やれやれ・・・仕方ないですね・・・あの二人の過去を見てきますか・・・」
 渋々、付いていくウィリアムだが、シエルの事は哀れだと思っていた。
 脆弱な人間の子供が悪魔に転生され、過酷な運命に巻き込まれ、今また、過去の自分達の干渉により、女体に変えられ、セバスチャンに散々、抱かれたのだから・・・
 気高き人間の子供は、かくも無残に踏みにじられた・・・
 闇に蠢く異形の存在・・・
 穢れし、悪魔に転生した。
 「それでも、彼の気高さは変わらない・・・」
 出会った頃の人間の心のままに・・・
 四人は過去のファントムハイヴ邸に辿り着く。
 セバスチャンに案内され、過去の当主夫妻の肖像画を探す。
 初代の肖像画を見れば、全ての謎は解けるのだが、三代目の肖像画を見たのがまずかった。
 そこには、先ほど出会った過去のシエルの執事シルバーと、彼女の娘が妻として描かれていた。
 『いらっしゃい・・・お父様、お母様・・・』
 娘が手を出し、二人を引き込んだ・・・
 「しまった!」
 そこにはグレルとウィリアムしか留まれなかった。
 絵に引き込まれ、消えた二人・・・
 
 過去の自分達の娘に引き込まれたセバスチャンとシエル。
 眩しい光に目が眩み、気付いた時には・・・
 冷たい部屋にいた。
 眩んだ目が少しずつ回復した先には・・・
 氷に囲まれた空間にいる事に気付いていた。
 「寒い・・・」
 「シエル、大丈夫ですか?」
 腕の中で震えるシエルをきつく抱き締めるセバスチャン。
 悪魔になった筈なのに、感覚だけは人間並みで・・・
 「大丈夫だが、寒過ぎる・・・」
 「私の魔力で温めましょうか?」
 「いや、大丈夫だが、この部屋は?」
 見渡す限り白銀の世界・・・
 氷に囲まれた絶対零度の世界・・・
 そんな中、まるで生きているかの様な女性が・・・
 シルバーの妻として肖像画に描かれていた女性・・・
 シエルに瓜二つのブルネットの長い髪を持つ過去の二人の娘が、氷で出来た柩に安置されていたのだ。
 「彼女は過去の私達の娘と言う訳ですね・・・しかし、遺体がここまで、完璧に保存されているとは・・・」
 セバスチャンの驚きも、もっともな事・・・
 こんな事が出来るのは、神の領域・・・
 死神の中でも
『伝説の死神』と言われる彼しかいないだろう・・・
 悪魔たる自分であれば可能かも知れない。
 しかし、悪魔と言う存在は、そこまで一人の人間を愛せないだろう・・・
 自分以外は・・・
 「アンダーテイカーは彼女を蘇らせたいのか?だから僕達の子供が欲しかったのか?」
 「あの方の真意は計りかねます。私達の子供は悪魔として生まれます。魂が欲しいなら無意味ですから・・・」
 氷の柩の中で眠る女性は、今のシエルの女体バージョン・・・
 複雑な表情のセバスチャン。
 「貴方そのものですね、彼女は・・・ですが、過去の貴方が欲しいのであれば、あっさり引き下がられるとも思えませんが・・・どの道、厄介な方ですね、葬儀屋は・・・」
 フゥ・・・と溜め息をつくセバスチャン。
 「フフ・・・お前の困った顔も面白い・・・」
 シエルは言いながら、セバスチャンの首に腕を伸ばす。
 キスを強請る時のシエルの仕草・・・
 唇を何度も重ねていくと、声がした。
 クスクスと笑う女性の声・・・
 二人が声のする方に、振り返った。
 そこにいたのは、意外な人物・・・
                    Ⅵに続く・・・
              H24.9.13        P10:08

「過去からの呼び声 第四章 別離」~後編Ⅳ~
 羽衣泡珠さまのみお持ち帰りOKです(*^_^*)
 お待たせしました・・・
 もうすぐ一ヶ月たちますね、すみません、焦らしプレイ続行中です・・・
もう暫くお付き合い下さいませ・・・終わる事が出来ますでしょうか・・・
眠れる悪魔シエルをお届け・・・



「過去からの呼び声 第四章 別離」 ~後編 Ⅳ~ 
「ぐふっ・・・なんとも伯爵らしいねぇ・・・君の子供を孕む事より、小生の道具になりたくないと言う訳だね。流石は、ヴィンセントの息子だよ。やれやれ、アテが外れたよ。仕方ないから、執事君御茶でも淹れてくれるかい?ああ・・・そんな顔しなくても、伯爵をもう攫ったりしないから大丈夫だよ。目的が叶わないのに、無駄な足掻きはしないよ、小生はね・・・」
 もの言いに、含みがある葬儀屋。
 「では、グレルさん、坊ちゃんの傍で守って下さい。私は紅茶をお淹れしますから・・・」
 「何で・・・ワタシが・・・」
 「お願いします、グレルさん・・・」
 セバスチャンの執拗なお願いに、グレルは死神としての存在意義すら失いそうになる。
 「グレル・サトクリフ・・・珍しい害獣のお願いなのですから、聞いて差し上げなさい」
 「へっ?」
 珍しいウィリアムの言葉に、グレルは間の抜けた声しか出せなかった。
 「ほぉ・・・珍しい事もあるもんだねぇ・・・お固い君が、執事君のお願いを聞いてとは・・・」
 葬儀屋の目が、キラリと光る。
 「貴方には、関係ない事です。伝説の死神ともあろう御方が、今は悪魔になったとは言え、元主人の息子に媚薬を盛ったり、あまつさえ女体に変え、執事の子を孕ませ様とは・・・どこまで、見下げ果てたら良いのですか?」
 ウィリアムは怒りに支配されていた。
 「では、私は紅茶の用意を・・・ありがとうございます、グレルさん・・・」
 ベッドに寝かせたシエルの傍に、グレルはいた。
 いつも見る生意気なガキと言う印象は、今のシエルにはなかった。
 葬儀屋の媚薬により、理性を失くし、セバスチャンを際限なく求めた為、疲れきって眠っていたのだ。
 「あらヤダ・・・こうして見ると可愛いじゃない・・・」
 眠るシエルは美しい・・・
 汗に塗れた髪を掻き上げてやるグレル。
 シエルは今は悪魔なのだ。
 人であった時は、コトの後、入浴しなければならなかったが、今は糧として体内に吸収されてしまう。
 「どうぞ、ダージリンをお淹れしました・・・グレルさんもどうぞ」
 何時の間にか、グレルの傍にセバスチャンが・・・
 「あら?ありがとう・・・」
 何となく、殺気を感じ、シエルの傍を離れ、セバスチャンから離れるグレル。
 ギシッ・・・
 セバスチャンは、ベッドに乗り上がり、気を失ったも同然のシエルに、膝枕をしてやっていた。
 珍しい光景だろう。
 執事であるセバスチャンが主に膝枕をするなどと・・・
 「グッフフフ・・・良い御茶受けだねぇ・・・そこまで執事君が、伯爵に骨抜きになるとはね・・・」
 愉快で堪らないと言う感じの葬儀屋。
 「一体貴方の目的はなんなのですか?坊ちゃんの子供が欲しいなどと・・・」
「それは何れ解る事だよ・・・さぁ、美味しい紅茶を御馳走になった事だし、小生はもう行くよ。執事君達は、伯爵が起きたら、元の世界に帰るなり、この世界に留まって、自分達の過去を見届けるなり、好きな様におしよ・・・どう足掻いても、過去は変えられないんだねぇ・・・」
アンダーティカーの言葉に三人は、彼の悲しみを知る。
シエルの子供が、彼に取っては大切な存在なのだろうと・・・
一陣の風と共に、葬儀屋は空間に飲み込まれ、消えて行った。
「もう・・・どうするのよ、ウィリアム・・・」
グレルの困惑した問いかけ。
「彼が気付くまでは、この世界に留まるしかないのですよ」
「だって、あのガキ、セバスチャンに抱かれたのよ!あ~んなコト、こ~んなコトされてるのに、起きる訳ないでしょう?潜入調査の時凄かったんだから・・・」
修道女を抱いて、情報を得た時の事を言っているグレル。
「グレルさん・・・誤解されてる様ですが、私は坊ちゃんにしか反応しませんよ・・・」
「えっ・・・だって・・・」
「だ・・・そうですよ・・・」
「何それ解んない・・・」
「解らなくて結構です。私自身を使う必要などないのですよ、これだけでね」
指を立てるセバスチャン・・・
「???」
のグレルだった。
 つまり、自身を使ったのではなく、指でイカせただけの事・・・
 しかし、マーキングするので、射精して精液を体にかける為、自分で扱いたと言う、情けない顛末がつくのだが・・・
「だって・・・坊ちゃんも聞いていたのよ、あの女の凄い喘ぎ声!!!」
グレルの隣で、嫌な顔のウィリアム。

「私は悪魔ですよ?あの女に抱かれていると錯覚させる事くらい訳ないのですよ・・・」
言いながらも、膝の上のシエルの髪を優しく梳くセバスチャン。
「そんな貴方は珍しいわねぇ・・・そんなに大切だったら、もっと守ってあげなくっちゃ・・・」
「ええ・・・これからは、この方を悲しません・・・私の命に変えても・・・」
セバスチャンは眠るシエルに誓う。
「そんな子供に欲情するとは、流石は悪魔ですね、貴方は・・・」
「否定はしませんが・・・私は坊ちゃんを愛してますから・・・」
爽やかな表情をセバスチャンは、ウィリアムに向けていた。
ウィリアムはうっと詰まりそれ以上は、言葉を続けられなかった。
そんな時、ガチャガチャ・・・ドアのカギが開けられた・・・
ドアのカギを開け入室して来た人物の顔を見た三人は、驚愕の出来事に、固まっていた。
「「「あれは・・・」」」
運命の歯車は動き出す・・・
              Ⅴに続く・・・
            H24.7.5    P11:50