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セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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「飽くまで」セバシエSS R-18
久しぶりのセバシエ
坊っちゃん悪魔です。
短くて申し訳ありません・・・


           「飽くまで」 
 僕は子供のまま悪魔になった。
 待って待って・・・
 早く大人になるから・・・
 そんな僕の心情などアレは気付いてくれない。
 目的があるのは解ってる。
 だけど・・・
 「シエル・・・心ここにあらずですね・・・でも、貴方を思い遣ってる暇はないのですよ?解っているでしょう・・・」
 解ってるから言葉に出来ない。
 悪魔にも心がある事は、ハンナとクロードに出会って理解したから・・・
 『子作り』
 それが目的でセバスチャンと共に魔界に戻ったのだから・・・
 セバスチャンは王族なのに、王位を継ぐのを拒否した。
 その為に、次代の王を作らなければならない。
 まさか、契約した悪魔の妻になり、子供を作るなどと、夢にも思わなかったが・・・
 僕を攻め立てるセバスチャンの行為は激しくなり、果てが来たと悟る。
 でもまだ終わりじゃない。
 悪魔が悪魔と交わり、子供を作るなど稀だから、僕達の子供がすぐ出来るとは限らない。
 大人の欲望を受け止める苦痛は、散々味わった。
 セバスチャンとの行為がソレではないから、余計に苦痛なのかも知れない。
 快楽地獄とも言うべき快感なのだ。
 「はっ・・・あっ・・・セバス・・・」
 「ああ・・・くっ・・・こんなに締めて・・・」
 無意識に抱かれ慣れた身体はセバスチャンを締めつける。
 汗を滴られ、貪欲な悪魔。
 僕の執事だった時には、見せなかった顔。
 だからこそ愛しい・・・
 絶対に言わないけど・・・
 せめて、キスに想いを込めて・・・
 『愛してるセバスチャン』             FIN
H.27.6.8 P10:56

「闇を生きる」「BLUE JEWELS」番外編R-18
また一ヶ月たってしまいましたね・・・
 へんな広告ご覧に入れて申し訳ございません(>_<)
 アダルトサイトなので悪しからず・・・
 タイトルはAKIRA様の「蒼き月満ちて」の歌詞の中から、頂きました♥
 とても素敵な歌声の女性ですのに、見た目は男性っぽくて♥
 パワフルな歌で中々歌えない・・・
 短いですが、少しでも楽しんでいただけたら、幸いです(*^_^*)



               「闇を生きる」
 僕は闇を生きる。
 昔も今も・・・
 何をどう間違ったのか?
 目の前の執事は今は夫だ・・・
 最も妻になっても、まだ僕は男性だが・・・
 「んっ・・・シエル・・・」
 睦言の最中、セバスチャンは僕の名を呼ぶ。
 何人の人間を誘惑してきたのか?
 悩ましい声音で・・・
 ハァハァ・・・と荒い息で・・・
 「悦くないですか?シエル?」
 「いや・・・少し考えごと「なんですって!私の腕の中で他に気を取られていらっしゃる!」
 ゴゴゴ・・・
 「全力で貴方を愛して差し上げましょう!!!」
 「遠慮する・・・」
 本気のセバスチャンは怖いシエル。
 パンパン・・・グチュッグチュッ・・・
 「ヒッ・・・あぁぁぁ~」
 シエルの絶叫が寝室に響く・・・

 「で?何をお考えに?」
 ゼェゼェ・・・と荒い息のシエルに問うセバスチャン。
 「いや・・・まさかお前と夫婦になるとは想わなくて・・・」
 「何だそんな事でしたか?運命に決まってるでしょう♥」
 (こいつ・・・こんなに天然だったか?) 
 頭を抱えたくなるシエルだった。
 自分に関心をシエルが持っていてくれるなら、セバスチャンはドヤ顔でニコニコしているのだった。
 シエルが悪魔になった瞬間に、殺そうとしたくせに・・・
 過去は過去・・・
 シエルが気にするセバスチャンの過去は、自分にも当て嵌まる。
 シエルが望んだ訳ではなくても・・・
 セバスチャンに愛されるとは想わなかった。
 アロイスは何もかも解ってたみたいで、悔しかった。
 アロイスはクロードを愛した為に、殺された。
 シエルの与えた傷は、少しずつアロイスの命の火を削っていたとしても、致命傷を与えたのは、クロードなのだ。
 (アロイス、お前は幸せか?死んで結ばれて・・・)
 人のまま死んだアロイスと、自分に忠実な執事に裏切られた揚句、悪魔達に弄ばれ、眷属になった自分とどちらが幸せなんだろう?
 「シエル・・・貴方の不安は解ります。ですが、これしか方法が・・・」
 セバスチャンの魔力が尽きたら、何時かは魔界に戻らなければならなかった。
 「お前を恨んでる訳じゃない・・・言っただろう?悪魔達を引っ搔き回してやるって・・・」
 「それでこそ、我主・・・いえ・・・奥さん」
 チュッと頬に口づけられて・・・
 「お前の未来は僕のモノ・・・」
 「ええ・・・でも貴方の未来は私のモノですよ・・・」
 お互いの命は共に終わるから・・・
 この先何千年否、何万年共に生き続けるかも知れない。
 「お前の手を掴んで良かった・・・」
 「ええ・・・貴方に出会えて良かった」
 人の子と高位の悪魔の恋・・・
 出会った瞬間に運命は決まっていたのだろう?
 「いつまでも共に・・・」
 声を重ねて誓う。
 過去は過去・・・
 何があっても取り戻せない。
 歪められた契約を取り戻せなかった様に・・・
 新たに『結婚』と言う契約で上書きしただけ・・・
 それでも、生きて愛し合えるのは、幸せと呼ぶのだろう・・・
 終わりのこない命は退屈だ・・・
 不死は人の世の憧れかも知れないが・・・
 抱きあい温めあい、今日も生きて行く。
 「おやすみセバスチャン」
 「おやすみシエル」
 シエルは眠る。
 セバスチャンの腕の中で・・・
 一番安心出来る場所で・・・
 今日も守られて、一日が終わる。
 悪魔の長い生は続く・・・
              H26.8.21 (木)  P10:21

「魂は変わっても・・・」R-18セバシエSS番外編
 ちょっと落ち込み気味で短編を少し
 暫く更新出来ないかもです(>_<)
 ほんのりHなセバス企画番外編


     「魂は変わっても…」 
 この行為に存在するものは…
 只の気紛れだった…
 強い貪欲な意志を持った子供ただそれだけの筈だった…
 ぺチッ…
 セバスチャンは気付く。
 「お前…その気がないなら、もう止めろ!心ここにあらずだ…」
 目の前の元主人は不機嫌だった。
 「申し訳ございません…シエル。少々、考え事を…まさか貴方が私の妻になって下さるとは夢にも思わず…誠心誠意尽くします」
 「ちょっ…そこまで言ってない…えっ…」
 グッ…
 「はっあっ…」
 途端に甘い喘ぎ声が上がる。
 ズプッズプッ…
 「シエル…私のシエル…」
 「セバス…セバスチャ…お前はいつまでも僕のモノ…」
 愛し合う夫婦となった二人…
 悪魔になっても、元主はよく眠る。
 夫となった悪魔の腕の中で…
 丸くなった猫の様に…
 「貴方は本当に素晴らしい方です。私の心を鷲掴みにして…いつまでも貴方は変わらない。例え、魂は変わっても、貴方は貴方…私の永遠の愛を貴方に捧げましょう。未来永劫、永遠に、死ぬ時は共に…」
 大悪魔…高位の悪魔のセバスチャンは契約した元人間を妻に迎えた。
 悪魔になっても変わらない元主…
 退屈な毎日は、忙殺された日々に変わった。
 人間界にいても楽しかったが、シエルと共に魔界に来ても楽しいのだ。
 周りは色々騒動が絶えぬが、それでも退屈からは解放される。
 セバスチャンと名付けられた悪魔は、今では妻となった元主で契約者の額に優しくキスをする。
 安らかなシエルの寝顔を見て、眠りに着く日常。
 これ以上の幸せを知らない悪魔セバスチャン・ミカエリスの一日は、終わる。
 また明日からは、シエルと紡ぐ楽しくて刺激的な一日が始まる。
 眠れ暫しの間・・・
 明日は明日の風がふく…

「BLUE JEWELS 18」R-18アニメバージョンセバシエ
  今年最後の更新です。
  今年一年、お世話になりました。
  また、来年も宜しければ、お付き合い下さいませ~


「BLUE JEWELS 18」  

 白と黒の薔薇が咲き乱れて・・・
 キャ~ウフフ・・・
 賑やかな声がする。
 「もう!お父様ったら、またこんな所で居眠りして・・・お母様!お父様ったらねぇ・・・」
 可愛らしい少女の声。
 「困ったお父様だ・・・」
 聞きなれた声・・・
 「坊ちゃん・・・」
 「何言ってるんだ?もう僕は男じゃない!」

 ガバッ・・・
 シエルの声に言葉に、セバスチャンは飛び起きた。
 「んんっ・・・」
 ハッ・・・
 その途端、腕の中のシエルが身じろぐ・・・
 (あれは夢?)
 「どうした?お前らしくもない・・・」
 シエルは、急に覚醒させられて、眠そうに目をこすっていた。
 「いえ・・・少々素晴らしい夢を・・・」
 「夢?珍しいな・・・悪魔でもそんな夢見るんだな?」
 二コリと笑うシエルに、セバスチャンはドキリとした。
 (ああ・・・珍しい貴方の笑顔。貴方は、私を虜にする。私をいつも楽しませて下さる。)
 「悪夢でない夢を見たのは、初めてに近いですね。貴方が私を変えて下さったのですよ。この退屈な悪魔としての生を・・・生きてて良かったと思わせて下さったから・・・」
 クロードが言っていた言葉を思い出す。
 悪魔は自分の美学と、欲望のみに生きる。
 自分以外の悪魔のモノであっても、奪いたい欲望は止められない。
 「だったら僕は生き続けても価値があった訳だ?」
 フフン・・・
 そんな感じのドヤ顔のシエルに、セバスチャンは背筋をゾクゾクさせた。
 人であった時、マダム・レッドの墓で見せたシエルの凛とした姿は変わらない。
 悪魔となっても・・・
 怠惰な悪魔の生・・・
 自分自身、怠惰とは無縁の悪魔だった。
 シエルも変わらない。
 只、魂が喰らえなくなっただけ・・・
 「私は幸せですね。貴方と巡り合えたから・・・貴方はどうでしょうか?」
 「そ・・・そんな事いちいち聞かなくても・・・」
 枕に突っ伏すシエルの耳は真っ赤で・・・
 「貴方は何も言って下さらない・・・ですからそのお口で聞かせて頂きたいのですよ。私は貴方を愛しています。貴方は私の獲物でしたが、今でもそれは変わらない。只、魂だけでなく、その体も心も欲しい・・・」
 「馬鹿・・・言葉にしなくても解るだろう?お前をあ・・・愛してなければ、ここまで来て妻になったりしない・・・愛してる・・・僕も・・・」
 真っ赤なシエルの耳元で囁く甘いセバスチャンの声。
 それだけで、シエルは耳だけでなく、頬まで赤く染めた。
 「ねぇ・・・シエル。私を見て・・・私だけの貴方」
 クルッと向きを変えたシエルは、行き成りセバスチャンに口付ける。
 「お前も未来永劫、僕だけのモノ・・・僕だけの悪魔セバスチャン」
 妖艶に笑うシエルもシエルで・・・
 「イエス・マイロード・・・」
 夜に溶けていく二人・・・


 シュッシュッ・・・
 イザべラはアスタロトの髪をブラッシングしていた。
 宴までの間、彼女の容姿に変化があってはならない。
 艶やかな黒髪で名を馳せた彼女が、変化していては怪しまれる。
 しかし男は何て愚かなんだろう。
 王子にしても、何を血迷ったか、同族の悪魔二人の命と引き換えに、たかが子供の主を妻に迎えたのだから・・・
 しかも、次期王妃にする為に、わざわざ魔界で式を挙げて・・・
 「ねぇ・・・ベールゼブブ様は、優しく愛して下さる?ベール様はああ見えて結構ウブでらっしゃるのよ。魔界に墜ちた時、大勢の悪魔のオモチャにされた私を救って下さった。それからは、私だけ愛して下さる。だから、貴方は私の命令を実行するのよ。必ず!!!」
 「はい・・・イザべラ様・・・」
 精気のないアスタロト。
 ベールの血により、操られているのだから、心はないも同然。
 殆ど会話など成り立たないが、それでもイザべラは良かった。
 一人は寂しい・・・
 ベールは只一人、自分だけを今は愛してくれているが、その後は解らない。
 悪魔など気紛れな存在だから・・・
 人間であつた時も今もそんなに変わらない。
 幸せとは縁遠いのが自分だと理解しているイザべラだったから・・・
 それでも長い生の悪魔になってしまった以上、生きていかねばならぬ。
 自分の運命を弄んだ神に一矢報いるまで・・・
 

 コンコン・・・
 「んっ・・・何だサタナキア?入れ・・・」
 いつの間にか眠ってしまっていたセバスチャンは、シエルを抱いたまま声を掛けた。
 「失礼致します」
 サタナキアは一礼して、部屋に滑り込んだ。
 「サタン様からのご連絡です。明後日に宴を開催すると・・・4大魔王の紹介の宴のみの予定ですが・・・」
 王子の腕の中で眠る王子妃は、あどけなかった。
 見かけの年相応な寝顔・・・
 「そんなに見ないで下さい。シエルが減ります不快な気分です・・・」
 何事にも動じず、気に掛けない性格の筈の王子に驚く。
 「見たくらいでは王子妃様が減る事はありません。お珍しい・・・貴方がそんな事おっしゃるなんて・・・余程、その方は大事でいらっしゃる。まさに次期王妃として相応しい」
 「珍しいのは、お前です・・・誰かを褒めるなどあり得ない」
 セバスチャンは、嫌そうな顔をしていた。
 そんな二人の会話など、耳に届かないのか、シエルはスヤスヤと眠り続ける。
 「可愛いでしょう?この方は人であった時は、いつも虚勢を張っていらっしゃった。今は私を虜にしながらも、以前と変わらず威厳があり、私が仕えるに相応しいお方です。本当は魔界になど戻りたくはなかったのです」
 眠るシエルの髪に口付けながら、セバスチャンは言う。
 「お察し致します。リリス様から窺ってます。シエル様は利用された様なものでしょう?ですが、それに気付いていても、動じられぬ・・・素晴らしいお方ですね」
 「だったら、お前達で何とかして欲しかったですね。シエルをもうこれ以上巻き込みたくなかったです・・・」
 クロードとハンナにしてやられたセバスチャンだったから・・・
 「ですのに貴方は受けて下さった。それがどんな結果を産もうとも・・・」
 「ええ・・・その為に、私はシエルを疲れる程、抱いているのですから・・・」
 悪魔の目的・・・
 策略は動き出し、王子夫妻を巻き込んで・・・

「BLUE JEWELS 17」R-18アニメバージョンセバシエ
  お待たせしました。
  魔界編セバシエ更新です。
  ほんの少し進みました( ^)o(^ )
  また暫しの焦らしプレイお楽しみ下さいませ~



           「BLUE JEWELS 17」
ハァハァ・・・
荒い息だけが寝室に木霊する。
セバスチャンはシエルに思いのたけをぶつけて、満足しているが、今はいくら悪魔になったとは言え、こう連日抱かれ続けては、脆弱なシエルは堪らない。
「なぁ・・・もっと違う食事「でしたら人間の魂「却下!」
こんな二人で会話が噛み合わない。
 クスクス・・・
 お互い同時に笑い出す。
 人間界であろうが、魔界であろうが、二人は頑固で強情。
 「仕方ないでしょう・・・私達は悪魔なのですから・・・」
 セバスチャンの言葉の意味。
 人が生きる為に、生きとし生ける全ての生物の命を奪い、その肉を口にする代わりに、悪魔は人間の魂を喰らう。
 契約があろうが、なかろうが、本来は悪魔の気紛れで行われるのだ。
 「解ってる・・・解ってるが・・・」
 シエルが人の魂を口にしないのは、同情とか憐れみではなかった。
 同族の男達に凌辱された身だ。
 人を生かす価値などないと思うから、復讐の対象は全て、殺させた。
 自分だけの悪魔セバスチャンに。
 「シエル・・・解っていますよ。貴方は人を助けたいのではないと言う事を・・・」
 自分を穢した元同族の人の魂など、汚らわしくて、喰らいたくないのだと・・・
 「だったらいいじゃないですか?貴方は私の腕の中で啼いていればいい・・・」
 「お前・・・それだけが目的なんだろう?」
 シエルはクスクスと笑いながら、セバスチャンの首に手を回し口付ける。
 「ほぉ・・・少しはお勉強なさいましたね。素敵ですよ、シエル。私を誘惑なさる程にご成長なさって・・・では煽った分、その体に教えて差し上げましょう・・・悪魔の愛の深さを・・・」
 「ああ・・・受けて立つ!」
 勝負とばかりに構えてくる元主の妻がいじらしい。
 只、快楽に溺れ我を忘れても、自分に挑んでくるのだ。
 「では、ご存分に私を堪能下さいませ」
 執事であった時の様に、セバスチャンはシエルに優しく囁く。
 熱くなった体とは裏腹の言葉で・・・
 いつ悪魔達との宴が始まるのか解らない。
 今はこのままで・・・
 新婚の王子夫妻は、今宵も愛し合う。


 「イザべラ様、ベール様がいらっしゃいました」
 セバスチャン夫婦が後宮内のセバスチャンの城の寝室で愛し合う頃、イザべラの城にベールが訪ねていた。
 策略が上手く進行しているか確かめる為に・・・
 「ベール様・・・お知らせ下さればお迎えにまいりましたのに・・・」
 心の中でイザべラは舌打ちしていた。
 ベールは好色だ。
 ベールの血により、自由と魔力を封印されたアスタロトはベールの人形も同様。
 魔王の一人と言う血の高貴さだけでなく、美しさから王子であるセバスチャンの婚約者となったアスタロト・・・
 それに比べ、元人間のイザべラは、只の無力な悪魔でしかない。
 只、救いはベールは好色でも、一度に複数の愛人を同時につまみ食いはしないと言う事。
 今はイザべラにしか、興味がないと言う事だ。
 「良い良い、お前の事だ。何でも自分に落ち度があると気を使い過ぎる。それでは、魔界ではやっていけないぞ。ソナタはワシの傍にただ、あれば良いのだ。かねてよりの手筈通り、これを・・・」
 皮で出来たケースを渡すベール。
 「では、ワシはこれで・・・いつ宴が再開されるか不明じゃ・・・精々アスタロトを飼い慣らしておけよ。あの気紛れサタンはいつ宴を開催するか解らんからな」
 「心得ております。お優しい貴方様に感謝致します。貴方がいなければ、私は未だに、地獄にいたでしょう・・・貴方の身心のままに・・・」
 「ウム、では宴の席でまた会おう」
 そう言うと去って行くベール。
 側近がいても、策略の為には、一人で行動しなければならないのだ。
 「ねぇ・・・貴方は王子があの子を妻に迎えると解るまで、誰にもその体を与えてなかったのよね?」
 「はい・・・イザべラ様」
 光を無くした虚ろな目で、アスタロトは答えた。
 「お貴族様はいいわね。守って貰えて・・・人であった私は犬に食い殺されて、悪魔となった。しかし、元人間の私は力などなく、只、悪魔達のオモチャだったわ。そんな私をベール様が助けてくれた。あの方には尽くしたから当然でしょうけど・・・あの方の命令は私には絶対。貴方にはこれから伝える命令を実行して貰うわ」
 イザべラの命令とは・・・?


 「んんっ・・・もう無理・・・」
 シエルはセバスチャンに翻弄されて弱音を吐く。
 「まだまだ・・・お腹いっぱいではないでしょう・・・」
 グリグリと内部を掻き回され、余りの快感にシエルは、背を仰け反らせた。
 「ひっ・・・ああんっ・・・」
 人であった時は、セバスチャンが何度も、最奥で欲を放ったら、精液が滴り落ちる筈なのに、今はセバスチャンの精気が食事のシエルは、内部が収縮しエネルギーに変換してしまうのだ。
 「んんっ・・・凄い・・・こんなに締め付けて・・・」
 セバスチャンが並の悪魔なら、シエルに精気を吸い尽くされ、力を奪われていたかもしれない。
 しかし、高位の悪魔であった為、これくらいの性交渉では、力を削ぎ落す事にすらならない。
 寧ろ、魔界に来て、奴隷として連れてこられた人間の魂を喰っているのだ。
 シエルに直接魂を与えてる訳ではないが、自分の同族に変換する作用としての肉体関係でもあるのだとは、流石のシエルも気付かない。
 セバスチャンの与える快楽を享受し、溺れても、主としての威厳は失わないシエル。
 自分の母であるリリスの資質に近いシエルに、惹かれて止まない。
 サタンはまだ天使であったリリスを無理矢理抱いて、セバスチャンを身ごもらせた。
 神に逆らった代償が、悪魔を喰らう唯一の悪魔
「エキドナ」 
 美しい女の顔に、蛇の下半身。
 自分の中には、大鴉が本性の父と蛇が本性である母の血が流れている。
 それ故、無敵に近いのだと言える。
 「大丈夫ですか?」
 悪魔なのに、疲れを見せるシエルが心配だった。
 「だったら・・・手加減・・・しろ・・・」
 腕の中でぐったりするシエル。
 「貴方を抱いたら、止まらない事など、御存知でしょう?貴方は私を狂わせる」
 「もう・・・今夜は無理・・・」
 「仕方ないですねぇ・・・悪魔になられても貴方は脆弱な・・・魔界のお勉強に、体力強化も増やさねば・・・」
 「そんな事は後でいい・・・眠い・・・寝る」
 「はいはい、それではシエルおやすみなさい」
 チュッと頬にキスして抱き締めて・・・
 既にシエルは熟睡モード・・・
 そうなっては、どんな悪戯も徒労に終わる事を理解しているセバスチャンは、諦めて、シエルに腕枕をして、隣で眠る。
 契約は終わっていないのは、人間界だけの事。
 魔界では、奴隷となった人間の魂は、どれだけ食べても契約違反にはならない。
 そもそも、そこに契約などないからだ。
 「どんな夢を見てらっしゃるのでしょう・・・」
 誰に問う事なく、セバスチャンは呟く。
 何の為に、魔界に戻ったのか、おおよその見当は付いているであろうシエル。
 「本当に貴方は私を退屈させて下さらない。いつまでも楽しませて下さって・・・」
 長い生を生きる自分の刻と同じ時間を生きるシエル。
 愛しさに包まれて、いつしかセバスチャンも眠りについていた。
                      18に続く・・・
                         H25.12.22(日) P10:20

「愛あればこそ」アニメバージョンセバス企画番外編SS
 ちょっと切ないセバシエ。
 2~3日前から書こうと思ってつい・・・
 大丈夫なお嬢様だけどうぞ(*^_^*)



            「愛あればこそ」
 ふとシエルは目を覚ます。
 見慣れぬ景色・・・
 真っ暗闇でも何もかも見える目。
 「ああ・・・僕は・・・悪魔に・・・」
 悲しいとは思わない。
 自分にだけは嘘を吐かない。
 誓った下僕の裏切り・・・その結果が今の状態で・・・
 そして、自分に腕枕をする夫になった現在。
 無防備にも、眠っていた。
 「悲しいのですか?」
 ぽつりと声が聞こえた。
 スッと頬に伸びる手・・・
 今は自分も同じになった黒い爪の持ち主。
 セバスチャン・ミカエリス。
 僕が名付けた悪魔。
 「何?悲しくなんか・・・」
 黒い爪先を濡らす透明な滴・・・
 自分が泣いている事に気付くシエル。
 「申し訳ありません・・・私は自分の為だけに、貴方をこんな所に・・・」
 シエルはホームシックだろうと思う。
 自分の魔力が尽きては、これ以上シエルを守れない。
 母の申し出を受ける事にした。
 シエルを守るつもりだったが、果たしてそれが正しいのか?
 涙を見たら心が揺らぐ。
 ない筈の心が軋むのだ。
 「ちが・・・」
 シエルは言葉が出なかった。
 両親を殺され、誘拐され、生贄でなかった為、散々複数の男達に凌辱されて、穢れ切った身体。
 目の前の悪魔は、そんな自分の魂と引き換えにモノ好きにも、契約を持ちかけてきた。
 自分の復讐の為にシエルは魂を差出し、契約した。
 全ては復讐の為だった。
 それが今は夫婦となり、自分の全てを晒している。
 人であった時は、恥ずかしくて、乗り気でなかったのに、今では自分からセバスチャンを求めてしまう。
 それがシエルの食事だとセバスチャンに教えられてからは、大胆になれた。
 腹が減るから身体を繋げるだけだと思っていた。
 しかし、それだけでは満たされない。
 心まで明け渡した今となっては・・・
 抱き締めるセバスチャンの胸までも濡らすシエルの涙。
 人であった時は、流す事のなかった涙。
 「もう・・・泣いても良いのですよ。貴方は女王の番犬ではない。柵は断ち切られた・・・貴方を縛るものは何もありません」
 「だったら・・・お前が僕を縛ってくれればいい・・・二度とこの手を離さぬ様に」
 「イエス・マイロード・・・もうこの手を二度と離しはしない」
 愛あればこそ・・・
 悪魔の主は悪魔となり、永遠の幸せを手に入れた。
 それが幸か不幸か、まだわからない。
 悪魔で夫の胸は暖かくシエルを包み込む。
 温度差のあった悪魔で夫と同族になれたからだろうか?
 シエルは暖かいセバスチャンの胸の中で、眠りに着く。
 人であった時より、退屈な日々・・・
 それでも、セバスチャンがいるから生きていける。
 「もう・・・貴方は退屈なんて言ってられませんよ・・・」
 意味深なセバスチャンの言葉。
 二人を引き裂こうとする陰謀は、着々と進んでいく。
 安らかに眠れ。
 暫しの平安を・・・
                          H25.11.20 (水)    P9:48

「BLUE JEWELS 16」R-18アニメバージョン・今後の更新について
  20000アクセス越えました(*^_^*)
  ありがとうございます。
  まだ、どなたからもリクエスト頂いてないので、20000達成頂いたお嬢様いらっしゃいませんでしたか?
  ブログなのでキリ番ないのか不明ですので、調べてみます。
  今後の更新は、三週間に一度くらいが、基本となります。
  仕事行かないと、腕の痛みが楽だと金曜の休みから判明してますが、家族の許可が下りず、仕事を辞められません。
  旦那にPC取られたり、今後イラストも描きたいので、不定期な更新ですが、それでも良いとおっしゃるお嬢様は、今後も宜しくお願いします(*^_^*)
  お待たせしました。
  今回はイチャイチャ中心のアニメバージョン。
  少しでも楽しんで頂けます様に(^-^)
  
  


         「BLUE JEWELS 16」 
 ペロ・・・ペロ・・・
 小さなピンク色の舌でチロチロと舐められる。
 シエルが使っていたキングサイズのベッドと変わらぬ大きさの豪奢なベッドの上で・・・
 天蓋は青を基調にしていたが、黒薔薇の刺繍が施された豪華なもので・・・
 ベッドの木の部分には、薔薇が彫り込まれ、薔薇に包まれて眠る様に、配慮されていた。
 既にシエルはセバスチャンにより、背中に黒い羽根を生やす程に、身体は眷属へと作り変えられてはいたが、元々ハンナの属性は、ある転機がこなければ排除する事はできない。
 シエルは人の魂を糧としない。
 それ故、その身を保つ為には、セバスチャンの精気を餌とするしかないのだ。
 例え、他の悪魔と交わる方法があるしても、絶対にセバスチャンはシエルを手放す事など出来はしない。
 只、自分と同じ様に、クロードは執事としてしか、シエルに触れなかったとしても、その命で償わせたのだから・・・
 「んっ・・・シエル・・・」
 幼い身体で必死に愛撫を施す妻の頭を撫でてやる。
 シエルが人であった時は、時には無理矢理自身のモノに奉仕させた事もあった。
 悪魔は悪魔・・・
 人など愛せないのだから・・・
 今は違う。
 悪魔同士の間に愛情があるのかは甚だ謎だが、自分の両親と同じ様に、相手を欲する気持ちに噓偽りなどあろう筈もなく・・・
 シエルが悪魔になったと知った瞬間、その手が腹を貫いた事実は今も、心の中に苦い思い出として、燻ってはいるが、もう遠い過去となりつつある。
 自分が弱りゆくのを見かねた母「王妃リリス」との交換条件で、魔界に戻るのを決心したセバスチャン。
 シエルが快諾してくれるとは思っていなかったが・・・
 ピチャッ・・・ぺチャッ・・・
 色々と考えている内に、自身の先走りか?シエルの唾液なのか?滑りが良くなり、セバスチャンの背筋にゾクゾクと快楽の兆しが出て来ていた。
 「んんっ・・・シエル・・・離して・・・もう・・・」
 このままだとシエルの口内に、射精してしまう。
 「構わない・・・僕が・・・欲しい・・・」
 自分の最奥で吸収するのも良いが、自分の口でダイレクトにセバスチャンを味わいたい。
 それが自分の本当の望み・・・

 セバスチャンに魂を喰わせ、この世から「シエル・ファントムハイヴ」と言う存在を消したかった・・・
 それが永遠に叶わないなら・・・
 自分の永遠は、セバスチャンと共に過ごそう・・・
 契約を破棄する事なく、契約者であり、支配者でもあり、捕食者であった悪魔は今は自分の夫なのだから・・・
 「はっ・・・くうっ・・・シエル」
 労わる様な大きく優しい手は、シエルの頭を撫でながら、その情熱の迸りを放つ。
 シエルの喉の奥に、熱い精液が流れる。
 セバスチャンの想いの全て・・・
 自分が人であった時、目を背け続けていたもの・・・
 シエルの目から涙が流れた。
 あの悪夢の日・・・
 自分の10歳の誕生日に流した最後の日から、セバスチャンに抱かれる以外には忘れ去っていたもの・・・
 「愛してる・・・」
 改めて口にすると恥ずかしい言葉・・・
 殆ど、熱に浮かされた時に、やっと聞ける主の言葉・・・
 「ああ・・・シエル・・・やっときちんと・・・向き合って下さいましたね。私も貴方を・・・貴方だけを・・・愛しています・・・永遠に・・・」
 自分の陰部から、口を離したシエルを抱き締めて、セバスチャンは再度誓った。
 目から流れる物を確認したシエルは、素敵に微笑んで・・・
 優しく口付ける・・・


 「フフ・・・バカな女・・・」
 イザべラは優しく自分の奴隷と化したアスタロトの髪をブラッシングしてやっていた。
 ここはアスタロトの城ではなく、自分の城・・・
 怪しまれてはならないから、既にベールゼブブには、連絡させていた。
 ベールの怒りが怖くて、次の宴までアスタロトに守って欲しいと気弱な女悪魔を演じれば、それ以上何も心配する事などない。
 「馬鹿な男・・・貴方がこんな状態になっているとは、気付かないなんて・・・」
 所詮は悪魔・・・自分と同じ繊細な心など持ち合わせない。
 「私は犬が大嫌い!元女王の番犬も、そんな子供と契約し、悪魔のくせに犬の様に、尻尾を振った王子など許さないわ!!!」
 そう・・・イザべラはシエルの様に、元人間
 犬に喰い殺されて、悪魔になって蘇ったのだから・・・
 ベールの力を取り込むだけに、情人となった悪魔イザべラ
 元人間の策略に、魔界が揺れる。



 「大丈夫ですか?」
 クッションを敷き詰め、シエルをベッドヘッドに凭れさせ、紅茶を給仕するセバスチャンだった。
 「・・・解ってるなら・・・少しは加減「そんな事無理でしょう?貴方を腕にしたら、我慢など効かない事など・・・今夜は特別です。貴方から、私を求めて下さった記念すべき夜なのですから・・・」
 「・・っ・・・」
 シエルの顔は真っ赤だった。
 効率が良いからだとか、言い訳を言ってみても、今更通じる相手でもなく
「わ・・・悪いか・・・僕が欲しかった・・・から・・・」
「ああ・・・本当に貴方はお可愛いらしい・・・」
優しく微笑む悪魔で夫が目の前にいた。
シエルは真っ赤になりながらも、紅茶を飲む。
「美味しい・・・」
「それはようございました・・・今の流行りに、魔界のオレンジの果汁を搾ってみたのですよ・・・現代ではピーチやら、アップルの果汁までも、紅茶に入れて、加工してる様ですので・・・」
「果物を紅茶に?斬新なアイディアだな?」
シエルの目が輝く。
「もう・・・貴方ときたら・・・ここは魔界ですよ、貴方はもう社長ではなく、私の奥さんなんですからね・・・」
 仕事の為なら、どんな手段も厭わないシエルの手管に、何度泣かされた事か・・・
 カップを取り上げて、シエルをベッドに組み敷く。
 「もう無理・・・」
 「大丈夫。貴方も悪魔なんですから・・・」
 根拠のない自信の夫にムカつくが、後日、上級悪魔達との宴があるのだ。
 セバスチャンの精気の補給も兼ねて、抱かれるのが得策だろう。
 「本当に、この行為が得か損かなど、考えずにいて下されば宜しいのに・・・」
 心を読まずとも、解りきった妻の行動に呆れるセバスチャン。
 「そんな僕が好きなんだろう?」
 最後は殺し文句で、弄ばれる。
 「ええ・・・そうですね・・・貴方と言う餌を目の前に、ぶら下げられて、動かない男はいませんよ」
 ギシ・・・ギシ・・・と揺れるベッドの音が寝室に響いていた。
 それぞれの悪魔の思惑が重なりあい、その時を待つ。
            H25.11.10 A11:49

「BLUE JEWELS 15」アニメバージョンR-18セバシエ
 お待たせしました(*^_^*)
 少しですが、進めました(*^_^*)
 仕事がハードで左目が顔面神経痛になりかけてます・・・
 びみょ~ですがR-18としました。
 少しでも楽しんで頂けたら、幸いです(^-^)



        「BLUE JEWELS 15」 
 「これは・・・」
 アスタロトはイザべラから差し出された物を見て、絶句した。
 ベールゼブブから頼まれた物を見て・・・
 素晴らしく豪奢なネックレス。
 パールと宝石で編み込まれたネックレス。
 「素晴らしい赤でしょう?まるであの方の瞳の様な・・・」
 イザべラが意味深に言う。
 「何故こんな・・・」
 ベールゼブブの性格からすれば、あの方を連想させるネックレスを今は恋人となったアスタロトに用意するだろうか?
 しかも、別の女性に渡すなど・・・
 「ああ・・・私と二人っきりになった訳じゃなくてよ。私の侍女とベールゼブブ様の側近も立ち会ったのだから、変な勘ぐりはよしてね。例え、周りが無理矢理押しつけた婚約であっても、あの方が貴方を先に裏切ったんでしょう?貴方の心は別にして、ベールゼブブ様が許せないとおっしゃって・・・これを後日の宴で付ければ、王子妃様は何と思われるかしら?」
 「でも・・・そんな・・・」
 「いいじゃない?ささやかな意趣返しよ」
 「だったら何故、ベールゼブブ様は私に、直接お贈り下さらないの?」
 「男だからでしょう?惚れた女に直接、元婚約者を撹乱する様な物を贈れないでしょう?プライド高い方は面倒ね・・・」
 確かに、イザべラの言う事にも一理ある。
 二人が結ばれたのは、セバスチャンが悪魔になったシエルに命を繋ぐ餌として、自身の身体を与えた事が魔界に伝わってからだった。
 勿論、ベールゼブブはアスタロトが初めての相手ではない。
 アスタロトは、周りがセバスチャンに無理矢理押しつけた婚約者なので、セバスチャンが手を出す訳がなかった。
 女である以上、何れは王子の妃となる最高の栄誉。
 しかし、それは苦しみの日々でもあった。
 何故か、王子はある日、魔界からいなくなり、人間の子供と契約し、主に仕える執事になったと言う。
 悪魔には元々、性欲は存在しない。
 人間の魂を確実に喰らう為の手段の一つなのだ。
 悪魔同士で結ばれるのは稀だ。
 帝王夫婦が、希少価値な存在なのだ。
 人間から情報を聞き出したり、誑かす為だけの性交。
 アスタロトは、運命を弄ばれたのだ。
 セバスチャンが、もっとちゃんと自分に向き合ってくれてたら、苦しむ事はなかっただろう。
 長い時間純潔を守る必要はなかったのだから・・・
 悪魔なのだから、羞恥心もなく、誰彼構わず、盛っても良かったのだ。
 享楽を味わい、快楽に溺れる存在。
 苦しめられた仕返しをしても良い筈だ。
 「ええ・・・そうね。例え、王子が私に関心がないとしても、何もなしに魔界を去る必要はないわね。せめて一言おっしやって頂きたかったわ・・・それに比べてベールゼブブ様はお優しい・・・」
 「じゃぁ、付けて差し上げるわ。後ろを向いて」
 イザべラは、アスタロトをまんまと騙し、ネックレスを付ける事に成功した。
 ドスッ・・・ドスッ・・・
 「かはっ・・・」
 アスタロトは口から血を吐いた。
 「ホッホッホッ・・・疑っていたのに、可哀想な女・・・」
 消えゆく意識の中、イザべラの笑い声だけアスタロトの耳に響いた。

 チュッ・・・チュッ・・・
 「ハァ・・・んんっ・・・」
 シエルの甘ったるい声に溺れながら、セバスチャンはキスを止めない。
 「もう・・・いい加減・・・ふっ・・・」
 「ハァ・・・貴方の唇は甘い・・・もっともっと味わっていたい。」
 「今夜はやけに・・・う・・・んっ・・・甘え・・・」
 「貴方を怒らせてしまいましたからね・・・甘やかして差し上げましょう」
 「ここをこんなにして・・・キスだけ?」
 ギュッと自身のモノを握られて、びっくりするセバスチャン。
 「駄犬の躾は、ちゃんとしなくちゃ・・・な・・・」
 ドサッ・・・
 セバスチャンを押し倒すシエル。
 いつ終わるとも知れぬ悪魔夫婦の饗宴は続く・・・
 策略に巻き込まれた哀れな元婚約者アスタロトの未来を思う事などなく・・・
 お互いしか見えない二人・・・
 魔界の夜は闇に包まれ、未来が閉ざされた。
        H25.10.30 P9:00
 

「BLUE JEWELS 14」R-18アニメバージョンセバシエ
  ざっと考えてたストーリーに忠実に書けました。
  はしょった所もありですが・・・
  少し動き始めた陰謀。
  次回はもう少し進んだら良いですね(>_<)
  旦那が1直なので、一週間は、お預けですが・・・
  少しでも楽しんで頂けたら、幸いです(*^_^*)
  pixivでも、早めに投稿しますね。
  いつも読んで頂き、ありがとうございました(*^_^*)

     「BLUE JEWELS 14」  
 トサッ・・・
 セバスチャンはケルベロスが入ったままのシエルを、優しくベッドの上に下ろした。
 本人でない為か、妖艶な目で、セバスチャンの指をペロペロと舐めるのだ。
 セバスチャン自身がピクピクと頭を持ち上げてきそうだった。
 「さぁ・・・坊ちゃんお目覚めの時間ですよ・・・」
 大きな手が瞳を塞ぐ。
 セバスチャンの魔力により、シエルの中からケルベロスが出てきた。
 「ケルベロス、よくやってくれましたね。もう下がって良いですよ。」
 ケルベロスは一礼すると、寝室を後にしようとしていた。
 サタナキアは、傍でベッドの二人をじっと見ていたのだが・・・
 バキッ・・・
 凄い音に、元主の危機を感じたケルベロスが振り返ると・・・
 セバスチャンの唇からは、血が滴っていた。
 シエルに殴られたのだと解る。
 駆け寄ろうとすると
 「この馬鹿!噓吐き!お前は何度僕に嘘を吐けばいいんだ・・・」
 涙ながらに、怒るシエルがいた。
 フワッ・・・
 泣きじゃくるシエルを優しく抱き締めるセバスチャン。
 三つ首のケルベロスは、異形の姿であり、恐怖の対象だ。
 シエルの中にある時、眠っていた筈のシエルに抱き締められていた。
 セバスチャンに対するシエルの本音を知り、恐怖した。
 本当の支配の恐ろしさ・・・
 「申し訳ありません・・・私は構いませんが、貴方に恥をかかせたくなくて、ついケルベロスに手伝わせてしまいました・・・」
 「二度とするなよ・・・んんっ・・・」
 本当に反省しているのか、セバスチャンにキスされる。
 (もう・・・この駄犬・・・キスで誤魔化そうとして・・・まぁ、僕も大概だが・・・)
 結局、惚れてるから、自分の為に行動するセバスチャンの行き過ぎた言動でも、許せてしまうのだ。
 「はぁ・・・んっ・・・」
 いつの間にか、ベッドに押し倒されて、深く口づけられて・・・
 二人の悪魔は、涙ながらに、元主に覆い被された幼い悪魔の姿に釘付けだった。
 美しい青と紫の瞳を持つ悪魔に・・・
 「いつまで見てる!さっさと出て行け!」
 そんな情事の甘い雰囲気ぶち壊しの幼い悪魔の一喝。
 「「失礼しました!」」
 二人の悪魔は、ギョッとして退散していった。
 涙を浮かべ、セバスチャンになすがままに愛されてた筈なのに、幼い悪魔は、正気を失わず、二人の悪魔の心を掴む。
 しかし「血の契約」がある。
 シエルに手を出せば、自分達は破滅するしかないのだ。
 セバスチャンの力が強大であればある程、シエルの身を守る力は増大されるのだから・・・
 ドアを開けて出ようとした一瞬
 「ああ・・・ケルベロスお前は犬だから遊んでやらん事もない・・・呼ぶかも知れないな・・・」
 「シエル!そんな事許しませんよ!」
 嫉妬に狂った元主・・・
 パタンとドアは閉められたのに、シエル・ファントムハイヴの喘ぎ声は耳に届いた。
 『はっ・・・セバスそんな行き成り・・・』
 ズプッズプッ・・・
 グチュッ・・・グチュッ・・・
 悪魔になったからか?
 元々、人間に凌辱され慣れているのか?
 最も、元主が仕込んだ可能性が強い妖艶な体・・・
 悪魔ならば一度は、抱きたいと思う元人間の体。
 夫となったセバスチャンだけのモノ・・・ 
 「す・・・凄いですねぇ・・・彼らがいたからこんなに・・・くっ・・・」
 シエルの締め付けに、先にセバスチャンの方が根を上げそうで・・・・
 「馬鹿か?そんな訳あるか・・・僕にはお前だけ・・・昔も今も・・・ああっ・・・」
 シエルはイク瞬間に、セバスチャンのモノを食い締めた。
 「くぅ・・・」
 ドクンドクン・・・
 シエルの内部は、激しく収縮し、セバスチャンから精液を絞り取ろうとするかの様に艶めかしく蠢いたままで・・・
 「素敵ですよ、シエル・・・」
 感じすぎたセバスチャンはシエルを抱き締めて、汗を滲ませて微笑む。
 ハァハァ・・・
 シエルは宴の時にも、激しく抱かれた為、まだ気だるさが抜けず、声も出ない。
 「申し訳ありません・・・我慢がきかず・・・貴方には無理ばかりさせて・・・」
 「いい・・・僕も・・・欲しかった・・・から・・・」
 「血の契約」は、二人の悪魔を結び付けるだけでなく、他の悪魔を排除する作用もあった。
 例え、どれ程の魔力を秘めようとも、手を出したが最後、相手が死ぬまで、攻撃の手を休めない魔力が発動されるのだ。
 悪魔二人の血が交じり合うのだから・・・
 「本当に貴方は・・・私を虜にして離して下さらない。人であった時となんら変わらず・・・」
 「当たり前だ!お前は僕を何だと思ってるんだ?悪魔になろうとも、僕は変わらない。もうあんな僕の意志を無視した行動は、二度とするな!最も、お前が悪いんだがな・・・」
 セバスチャンの胸に頭を擦りつけて、照れてるシエル。
 「ええ・・・貴方の意志を二度と無視しませんから、顔を上げて・・・」
 真っ赤なシエルの顔を見て、満足なセバスチャン。
 
 「ああ・・・いいなぁ・・・王子は・・・あんな素敵なお嫁さんで・・・」
 サタナキアはため息ついて、羨ましげに言っていた。
 「そうでしょうか?寧ろ危険・・・」
 いつの間にか、人体形のケルベロスがいた。
 「フフ・・・その方があの方に取っては良い薬でしょう?アスタロトでは役不足です。」
 サタナキアは何でも知っているのだろうか?
 「では王子に?」
 「嫌、黙っていなさい。あの方は物事を軽んじ過ぎです。シエル様くらいの方が、リリス様の次代としては相応しい。只、美しいだけの悪魔など要りません。」
 「よほどアスタロト様をお嫌いなんですね?」
 あんまり他の悪魔の批判をしない宰相にしては珍しい事。
 「あの方は、警戒心がないから、魔界に揉め事を起こしそうで・・・大人しいだけの悪魔など要らないでしょう?」
 「ですが、何れベールゼブブ様と結婚なされば、我らもお仕えする立場となりましょう?邪険には出来ませんよ?」
 「大人しくくっついて下されば・・・ね?」
 
 「アスタロト様、イザべラ様がおいでになられました」
 「まぁ、いらっしゃい珍しい事・・・どうなさいましたの?」
 「実は、ベールゼブブ様に頼まれまして・・・」
 「そう?なの・・・どうぞお入り下さいね」
 アスタロトの温厚な性格を利用した計画・・・
 イザべラの瞳が赤く輝いた。
            H25.10.19 P2:11

「BLUE JEWELS 13」アニメバージョンセバシエ
  相変わらず続く悪魔の宴・・・
  取り急ぎ更新でR-18抜きで。
  事態は意外な方向へ・・・



        「BLUE JEWELS 13」  
 「では、方々後半をそろそろ始めさせて頂きたいのですが?ご用意は宜しいでしょうか・・・では始めさせて頂きます」
 サタナキアの声と共に、広間は明るくなっていく。
 次第に全貌が明らかになっていく。
 悪魔達は王子夫妻の変貌に目を見張るが、何も言えない。
 二人の上部にいるリリスの目の変化は、全ての悪魔の恐怖の対象だったから・・・
 例えサタンでもリリスには勝てないのだ。
 悪魔を食らう唯一の悪魔エキドナの目の形。
 リリスは蛇が本性なのだ。
 神を裏切り、サタンの妻リリスになり下がった元天使への罰は、悪魔でありながら、悪魔を食らう能力を齎された事。
 サタンを誘惑する女悪魔を食う事が主だったが、サタンの座を奪おうとした政敵すら既に腹の中・・・リリスの力となり果てた。
 そんな彼女に睨まれたら、声も出ない悪魔達。
 シ~ンと静まり返る広間の中
 「第37柱フェニックス様。20軍団の侯爵様」
 不死鳥として知られる鳥の悪魔。
 キリストの復活に関与していると言う悪魔。
 人間にも命じればなるが、殆ど鳥の姿のままで・・・
 王子夫妻の姿に気付いても、何を囀るでもなくお辞儀をしたら去っていく。
 二人の変化・・・
 セバスチャンにしな垂れて、口元は扇で隠しながら、目はトロンと潤み、煽情的な王子妃シエル。
 王子同様、見慣れぬものが・・・
 頭にあった。
 黒い耳・・・まるで犬の様な・・・
 そうセバスチャンとサタナキアが試したある方法とは?
 目覚めぬシエルにある悪魔を同化させて、取り敢えずのピンチを回避する方法を取ったのだ。
 ある悪魔とは・・・
 セバスチャンの馴染みの悪魔。
 ケルベロス・・・
 元セバスチャンのペットだったのだ。
 セバスチャンに絶対服従な彼なら、シエルを脅かす事はない。
 軽い気持ちで試した二人だが、副作用に耳が出てしまう事だった。
 仕方なしに、自身にも耳を生やしコトなきを得たつもりだった。
 「ハルファス・マルファス・ラウム」
 鴉の異形の姿が続いた。
 そのまますんなり行けば、夜には、シエルに激しい怒りをぶつけられるセバスチャンだが、その腕に抱けば、今は快楽に従順な悪魔と化したシエルのコト・・・
 快感に身悶え、何も解らなくなる。
 丸め込めると信じたセバスチャンだった。
 シエルの人としての魂は失った・・・
 それでも、青く凛として輝く魂は、シエルの中にある。
 二度と、口にする事は叶わぬが、身体を重ね、全てのシエルの体液には、青き魂の名残りはあるのだ。
 セバスチャンを虜にして離さないシエルの魂・・・
 悪魔の紹介は続いていた。
 妖艶なシエルは、悪魔達の心をざわつかせていた。
 前半で紹介された悪魔達は、軍の宿舎にいるか自分の城に戻っていた。
 その時と違うシエルを目にしたら、同じ反応だろう・・・
 睨みを効かせる帝王妃リリスの手前、表情に現わす事はないが、内心は高なり、ドキドキする者が殆どだ。
 誤算だと二人が気付いても、手遅れだった。
 このまま行けば、シエルを奪い取ろうなどと言う愚かな悪魔も現れただろう・・・
 その不穏な空気を打ち破る者がいた。
 「キャ・・・ァァハハハ・・・何か変・・・フフ・・・」
 声は微妙に重なりながら、声音が違っていた。
 声の主達は、双子だったから・・・
 サキュバスのリリムとリリンだった。
 「これ何です?はしたない声を出して・・・」
 進行役のサタナキアは、叱咤した。
 「だって面白いでしょ?こんなへんなの・・・」
 「そんな突っ込みは不要です。大事な行事の邪魔しないで下さい。次は・・・」
 「もう良い!こんな茶番見たくないわ!!!」
 そんな不快感を露わな怒鳴り声・・・
 ベールだった。
 ソロモン第1柱、4大魔王の一人。
 「これが茶番だと?そんな茶番をやらせたのは、どこのどいつだ!!!」
 リリスの怒りの声。
 ベールが発案した王子夫妻への悪魔達の紹介。
 それ自体が茶番なのだ。
 ベールは答えない。
 「もう良い・・・わしは下がる・・・行くぞイザべラ」
 ベールに呼ばれた女の悪魔は、お辞儀をするとベールについて行った。
 「皆の者、これでこの行事は終了だ。後日、4大魔王の紹介はする事になるだろう。心しておれ!!!」
 「ハハ~ァ、我らが帝王サタンに栄光あれ!!!」
 サタンの一言で、幕は下ろされた。
 人間の奴隷達が魂入りの酒を運んでくる。
 残って酒を飲む者、帰り支度をする者など様々だった。
 セバスチャンはと言うと、シエルを抱き上げ、新居に戻って行く。
 一時的な方法とは言え、セバスチャンとサタナキアの試した方法など、殆どの悪魔にバレている。
 「シエル戻りましょうね・・・」
 冷酷無比な悪魔セバスチャンの変わり様・・・
 サタナキアは、シエルの本当の姿が見たくなった。
 広間を後にし、セバスチャンの後ろについて行く。
 セバスチャンは翼を出すと、大空に羽ばたく。
 サタナキアも続く。
 王子夫妻に続く、サタンの宰相殿の姿は、今宵一番のニュースとして、魔界を駆け巡り、騒がせた。
 「やれやれ・・・奴も酔狂よの?」
 リリスはため息を吐きながら、サタンに呟いた。
 「これがきっかけで、女遊びが止まれば儲けもの」サタンは楽天家だった。