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九条静音の黒執事妄想劇場
セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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黒薔薇の誘いNO.8
それから、既に、三年セバスチャンと共に、過ごしていた。
　使えない使用人と共に、騒がしくも、楽しい日々・・・
　いずれ、シエルはセバスチャンに魂を喰われ、シエルと言う存在は消えてなくなる・・・
　わかっていた筈なのに、何時の間にか、セバスチャンを愛してしまった・・・悪魔なのに・・・
　「坊ちゃん、如何致しました?今日はお疲れでしょう?余り長く湯船に浸かっていますと、湯あたりいたしますよ?」この瞳がいけない。
　二人きりの時は、紅い悪魔其の物の情欲に満ちた瞳で自分を見るのだ。
　もっともっとシエルが欲しいと・・・
　誘惑の手管に過ぎないのに、求められていると錯覚してしまう。
　クロード達から逃れる時、セバスチャンに抱き付いた。
　彼の身体からは、甘い香りが漂う・・・バニラエッセンスの香り・・・
　フェロモンの一部の成分を含んでいるのだ。溺れない方が可笑しい。
　「どうせ、契約だからな、お前が僕を守るのは・・・」シエルは言ってはならない事を口にしてしまった。
　「フフ・・・それだけの理由で私が、悪魔と、同族と戦うとでも、思ってらっしゃるのですか?愚かな事は考えないで下さいませんか?私は貴方を愛しています。魂だけでなく、その身体も心も私のモノにしたい・・・」
　セバスチャンの本音だった。
　「嘘をつくな!お前が、大人で悪魔なお前がそんな馬鹿な・・・」シエルはふいに立ちあがり、湯あたりを起こし、セバスチャンに抱きとめられた。
　「本当に貴方はお子様なんですから・・・如何に悪魔が好色だとは言え、坊ちゃん程の子供に手を出す輩はいませんよ。愛してるからに決まってるじゃありませんか?私の言葉は、貴方には届いてませんでしたか・・・貴方には何とお伝えすれば、私の気持ちを信じて頂けるのでしょうね。」セバスチャンは、シエルを抱きしめ、フロから出ると、シエルをバスタオルに包んで、寝室に向かう。
　このままだと、シエルが風邪をひくのは確実だったが、何度でも、愛していると囁いている言葉が届いていない方が、大問題なのだ。
　「解って頂けないなら、その身体に解らせて差し上げます。私の想いのたけを込めて、愛でて差し上げましょう。悪魔の独占欲を悪魔に愛される意味を想い知って頂きましょう・・・」セバスチャンはプライドにかけてシエルを振り向かせるつもりなのだ。
　キスして、シエルの同意を得てから、永き刻を共に歩んで貰おうと思っていた。
　クロードにシエルの魂を掠め取られるまでは・・・だから今まで言えなかった。
　伴侶として共に生きて欲しいと・・・人間のままでいたいなら、シエルの命つきるまででも良かった。
　孤独に耐えれなくなった自分をシエルは笑うかも知れない。愛したからそれでも良かった。
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[2010/08/28 16:27] | 黒薔薇の誘い | トラックバック(0) | コメント(0)
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