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九条静音の黒執事妄想劇場
セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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絶望の果てにNO.12
「だったら、何だ?自分で抱けないのなら、黙ってればいい・・・クロード、髪が伸びて、感じが変わったな。それだったら、僕も我慢して、肌を許せるな、さっさとしろ、クロード、一度だけで構わない。それで全てが終る。」シエルはクロードにさえ、命令する。
 「御意、ですが、貴方は人間だった時と、寸分も変わらない。貴方の魂を頂けなくなったのは、残念ですが、精々尽くさせて頂きますよ。貴方をこの腕に抱ける日がこようとは・・・」クロードは、セバスチャンから踵を返し、シエルの頬に触れた。
 セバスチャンは、全身の血が、逆流する程の嫌悪を感じる。
 (それは、私の獲物、触れるな、お前等に、お前如きに!)言葉を出せぬ、心の叫び。
 シエルがどんな手を使ったのか?クロードをここに呼び寄せたのは、事実・・・
 「さぁ、坊ちゃん。ここは、貴方の番犬が邪魔ですから、どちらにまいりましょうか?」クロードは、セバスチャンに構っている場合ではなかった。
 待ち望んだ、シエルとの逢瀬なのだから。
 「ああ・・・客間に向かえ。僕の寝室では嫌だから・・・」シエルは、自分の寝室か、セバスチャンの自室かで、セバスチャンと愛し合った。身体を一つに繋げ、何度も、セバスチャンに抱かれたから、聖域くらいに、大事な場所だと思っていた。
 「坊ちゃん、お待ち下さい。貴方がクロードを呼んだのですか?」セバスチャンはつい、叫んでしまっていた。
続きを読む
絶望の果てにNO.11
「お前が僕の命令に常に従っていれば、こうはならなかった。それは、理解しているのだろう?それとも、人間だから、馬鹿にしていたのか?お前だけは、僕を裏切らないと信じていたのに・・・やっぱり、悪魔は悪魔か・・・」シエルは涙を溢れさせて呟いていた。
 セバスチャンに救われてから、ここまで、切なく辛い思い等、した事はなかった。
 自分の過去は、タナカにさえ、伝えれなかった。
 貪欲で下種な人間に凌辱され、黒ミサの生贄にされた等と・・・セバスチャンが悪魔だとは、知らせてはあったが、自分がシエルを守れなかったと、タナカは、心を痛めるかも知れないからだ。
 セバスチャンは、胸を掴み、掻きむしりたい程、シエルに対しての罪悪感を感じた。
 悪魔なのに・・・シエルは人間だったのに、こうも自分の心を縛り付け、跪かせるのだ。
 高貴で、輝かしい魂は、今もシエルの中にあるのだ。
 言葉が出せない・・・セバスチャンはシエルの何を見ていたのだろう・・・自身の行動を悔やんでも、取り返しはつかないのだ。
 「だんまりか・・・つまらん・・・今までみたいに、嫌味を返してみろ!お前は言ったな、退屈させるなと・・・今は、僕が主なんだ。使えない執事等いらない・・・僕を飽きさせるな。食事もスイーツもいらない。お前にさせる事と言ったら、朝、起こす事、着替え、入浴、就寝の用意くらいだ。暇を持て余して、退屈しているんだ。もう少し、気のきいた言葉を話せ。」シエルはつまらないとばかりに、溜息をつく。
 セバスチャンは、俯いたまま、一言も発せないでいた。
 「コンコン」誰かが、ドアを叩く、微かな音がした。
 セバスチャンがピクリと反応した。
 ここは、アケローン川のほとり、セバスチャンの城なのだ。
 来客がある筈など、ないのだ。
 「セバスチャン誰か来たみたいだ。見てこい!」「御意」セバスチャンはシエルに一礼して、玄関に向かった。
 セバスチャンは、ゆっくりと玄関に進んで行った。
 シエルから、離れる良い口実が出来たが、ここまで辿り着ける者などいない筈・・・
 訝しみながらも、ドアを開く・・・
 忘れる事の出来ぬ、憎い相手がそこにいた。
 見慣れた筈だったのに、何故か雰囲気が変わっていたライバル・・・
 「貴方が何故ここに・・・何をしに来たのです。貴方が邪魔しなければ、坊ちゃんは私の・・・私だけのモノだったのに・・・今更何故・・・やはり、あれだけの傷では、死なせることは、不可能だと・・・
 
続きを読む
絶望の果てにNO.10
謎の人物は、シエルの望みを叶えるべく、着々と計画を進めて行く。
 事態は最悪な方向へと突き進んで行く。
 シエルが頼み事をして、三日が過ぎた。
 その間、シエルはセバスチャンの城で主として振る舞い、セバスチャンの用意した服を着て、暇つぶしと言えば、読書するしかなかった。
 人間の頃の生活はそのままに、只、食事を取る事はなくなっただけ・・・
 入浴もセバスチャン任せで、魔力で何かをしょうとも、思わないシエルだった。
 今夜もいつもの様に、シエルの就寝の支度をするセバスチャンだった。
 「坊ちゃん・・・未だ、人間の魂を召し上がられてませんが、お腹空きませんか?人間だった貴方が魂をお食べになられないのは、理解出来ますが、そのままですと、衰弱なされます・・・」セバスチャンは強くは言えない。
 「だったら、お前の精気を寄こせ!お前が人間だった僕を翻弄していた時の様に、僕を抱けば済む事だ!」毎日の様に繰り返されるシエルの言葉・・・
 シエルの言い分も解るが、望まぬ運命を背負わされた、幼い主に、これ以上の責めは、味あわせたくないのだ。
 「構うな、僕が衰弱して弱れば、僕を殺し、自由になればいい・・・誰にも縛られず、悪魔として生きてきて、非道の限りをつくしたお前に戻れば・・・」シエルはセバスチャンの頬を両手で包み込む・・・
続きを読む
絶望の果てにNO.9
セバスチャンと一つになって死ねる・・・それだけが、人間だった頃のシエルのたった一つの望み・・・アロイスの妬み、クロードとハンナの真実を知りながらの策謀・・・それらによって、シエルの望みは絶たれた。
 (結局、僕は、人間にも悪魔にも、弄ばれる運命か・・・?)シエルは、神を呪った。
 たった一つの望みのセバスチャンにも、裏切られていたのだから・・・
 煮えたぎる様な怒り、悲しみに支配されるシエル。
 「セバスチャン、真実を知ったら、お前はどう動く?」もう、どうでも良かった。
 自分の人間の頃の復讐が完了しても、気分は晴れないどころか、最悪だった。
 両親の仇を討った所で、何も変わらない。
 悪魔になっても・・・絶望だけが残された。
 出来る物なら、消え去ってしまいたかった。
 セバスチャンが優しいのは、自分の魂を食べたいと思っていたから。
 子を孕もうが、セバスチャンと共に生きられるなら、構わなかったのに・・・
 セバスチャンは、自分との未来等、望んでいない。
 シエルは、愛を知らずに育った様な物・・・
 セバスチャンがいつしかシエル自身を愛して、魂を食べるのに、戸惑った事までは、知る由もなかった。
 愛に臆病なシエルは、セバスチャンの囁き等、耳に入らない。
続きを読む
絶望の果てに・・・途中報告
 ストーリーは佳境に入ってきました。
 そろそろ、別の人物も登場致します。
 セバスチャンとシエルの未来は、「絶望の果てに」何がある・・・
 ちょっと暗過ぎますが、宜しかったら、最後まで、お付き合い下さいませ♥
 この次の小説の予定は、セバスチャンにお仕置きするシエルです。
 ギャグ?テイストで、ハチャメチャのストーリーで、とんでもナイ展開です(-_-;)
 Ⅱ期ラスト後、すっかり態度を変えたセバスチャンに怒り心頭のシエルは、悪魔になった事をいい事に、セバスチャンに躾の為と称して、トンデモナイお仕置きを実行する(・_・;)
 触手出そうかな?殴らないで下さいね(・_・;)
 わたくし、アクマでシエルファンですから♥

 散々、シエルに弄ばれ喘ぐセバスチャンに萌える・・・只、それだけでは、つまりませんので、ラストがね・・・既に九条の頭の中では、完結してる小説なのです♥
 「千の魂と堕ちた死神」DVD感想、またですが、書こうと思います♥
 「絶望の果てに」NO.9書けたら、お送りしますので、御覚悟の程を・・・
絶望の果てにNO.8
その声に答え、ある人物がやってくる。
 「お前に頼みたい事がある・・・」シエルは、人間だった頃と変わらない口調で、話掛ける。
 とても、「頼み」と言う優しい言葉ではなかったが・・・
 その人物は黙って、シエルの話を聞いていた。

 その頃セバスチャンは、自室で遣る瀬無く、切ない気持ちに支配され、シエルと、ある人物のやり取りにまったく気付かない。
 否、気付けない程、悪魔としての感知能力が鈍っているのだ。
 三年、シエルの魂を楽しみにしていた為、誰の魂も喰っていない。
 潜入調査で抱いた女に己を埋め、精気を吸い取れば良かったのだが、只、指でイかせて、魔力で抱いた様に見せ掛けただけ・・・シエルに義理立てしたつもりはなかったが・・・
 シエル以外に反応しないのだから、どうしょうもない。
 「はぁ・・・私はどうすれば良かったのでしょうか?坊ちゃん・・・」セバスチャンは、八方塞で、どうしていいか、解らなくなっていた。
 悪魔の本能に従い、シエルを抱けばいいのか?
 しかし、シエルに拒絶されたら、辛い・・・
続きを読む
絶望の果てにNO.7
セバスチャン以外に抱かれるのも、抱くのも嫌だった。
 エリザベスは、自分より一つ年上ではあるが、天真爛漫で、穢れきった自分には、勿体無い程、清らかな存在だったから。
 セバスチャンしか、いらない・・・それならば、シエルの進むべき道は、破滅しかないのだ。
 セバスチャンは、抱き締めるシエルが、疲れきって眠ってしまったのに気付いた。
 (良かった・・・やっとお休みになられたのですね・・・しかし、悪魔になられても、寝てしまわれるとは・・・やっぱりお子様ですね・・・)セバスチャンは、シエルに見せなくなった笑顔を向け、そっと唇にキスした。
 実は、シエルが悪魔になっても、寝てしまったら、そっと唇にキスしていたセバスチャンだったのだ。
 愛せなくなった訳ではない。
 愛しては、いけなくなっただけ・・・
 シエルから、離れがたいセバスチャンだったが、散々、シエルを抱きしめて自身は煽られてしまった。
 滾った自身を慰めねば、シエルを襲ってしまうかも知れない・・・
 「嗚呼・・・坊ちゃん、本当は貴方を抱いてしまいたい・・・でも、貴方をこれ以上、苦しめたくない・・・貴方に私の子を孕ませる訳には・・・」セバスチャンは呟きながら、静かに、部屋を後にした・・・
 不意に丸まって眠っていた筈のシエルが、起き出した。
 「馬鹿、それならば、何故、キスをする・・・」シエルは寝ていなかったのだ。
続きを読む
絶望の果てにNO.6
(抱けないなら、何故、僕に快楽を教えた。穢されていた屈辱を忘れられるのは、セバスチャンの腕の中だけだ。どんなに抗っても、人間だった僕は、セバスチャンから逃れられなかった。それでも、良かったのに・・・)流石にハンナはシエルが悪魔になって、セバスチャンに抱かれたら、確実に孕む事までは、言えなかった。
 高位だとか、下級だからとかではなく、セバスチャンがシエルを愛していれば、逃れられぬ運命だからだ。
 悪魔は元天使自身だった者と、親がそう言う存在だった者とか、動物が突然変異で悪魔化した者と大別されていた。いつ、どうやって、誕生したのか、解らない存在も多々いた。
 セバスチャンの素性は、ハンナやクロードでは、知る事の出来ない高位な存在だった。
 クロードは蜘蛛が本性なので、例え、悪魔の力がセバスチャンと互角だとしても、鳥類の鴉が本性の悪魔セバスチャンには、エサとなる運命・・・
 どんな悪魔も本性の格の違いには、逆らえないのだ。
 ハンナの様に女の悪魔は希少価値があり、男の悪魔なら、ハンナとの間に子をなそうとする者も後を絶たない。
 但し、レーバァテインの鞘である以上、剣の持ち主の妻と同様の地位にあるのだ。
 事実は、どうであれ、ハンナはクロードの所有物とみなされ、ハンナに手を出す者はいなかった。
 しかし、シエルは元人間、生まれつき悪魔だった存在とは、大きく異なる。
 高位の悪魔の伴侶として、優遇されるのだ。
 それでなければ、大勢の悪魔に襲われ、誰の子とも解らぬ、あらたな悪魔の母体とされる。
続きを読む
絶望の果てにNO.5
 (坊ちゃん・・・私は愚かにも、貴方を愛してしまった・・・もっと早く告げるべきでした。魂を喰らう事など出来なかったくせに、悪魔になった貴方を殺そうとした・・・同族になってしまった以上、私は、貴方に触れては、いけないのだから・・・)セバスチャンは、三年シエルをシエルとするぺく育ててきた。
 しかし、人間ではない存在・・・
 「らしくしていろ!」シエルの命令に基づき、人間らしく振る舞うのは、造作もない事・・・
 しかし、心の中までは理解出来ない・・・
 シエルに拒絶されるのが、怖くて告げない想い・・・
 シエルが人間でなくなったから、手に掛けた事をシエルに指摘された時、顔を逸らす事しか出来なかった。
 抱き締めて、同族になった今、シエルに触れれない理由を告げていれば、今シエルを泣かせる事などないのに。
 シエルはとっくに、セバスチャンに堕ちていたのだから・・・
 セバスチャンが、シエルの想いに気付く事はなかったけれど・・・
 セバスチャンが、嘘を吐かない事は信じていても、セバスチャン自身の行動は、信じていないシエル。
 何も言わなくても、行動する事が多かったから。
 マチルダから情報を得る為の手段が、肉体関係だとは、シエルは思わなかったのだ。
 グレルがいなければ、はしたなく取り乱し、そんな手段を使おうとするセバスチャンを責めたかも知れない。
続きを読む
絶望の果てにNO.4
(貴方を愛してしまったから、これ以上苦しめたくない・・・)セバスチャンは、またしても、シエルの本質を見抜けなかった。
 「お前だけは、僕の傍にいろ!僕に嘘を吐くな!」シエルとの誓い・・・シエルの本心が秘められた言葉・・・
 寂しいから、傍にいて欲しい。裏切りはもう、嫌だと言う本音。
 それでも、シエルはセバスチャンを求めてしまう。
 悪魔なのに、穢れた自分の過去ごと、抱き締めて安らぎを与えたセバスチャンだったから・・・
 裏切られ、無関係の仕組まれた犯人を殺した事実は消えない。
 それさえも、悪魔になったからか、シエルは、些細な出来事だと思える様になった自分に苦笑する程なのだから。使用人達を切り捨て、セバスチャンを選んだ理由・・・
「愛している、セバスチャンを・・・」
 自分は子供なのに、何故?この感情は・・・
シエル自身、驚いているのだから、無理もない。
 (クロードに感謝すべきか?)必要以上に身体を触られたり、足にキスしたり、気持ち悪い行動をされたから、執事らしくないクロードに違和感を覚えた。
 只、セバスチャンが執事として仕えていたなら、気付かなかった自分の感情。
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