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九条静音の黒執事妄想劇場
セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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KISSしてNO.3
シエルの望みは全てが終わった後、魂をセバスチャンに喰わせ、「人」としての生を終える事だから・・・
 (何としても、どんな手を使っても、坊ちゃんに生きる意欲を起こさせてみせる・・・)最後の時、シエルの命を奪う事などセバスチャンには、出来ないから・・・
 ぐったりしたシエルを抱き締め、キスの雨を降らす、セバスチャン。
 「んっ・・・くすぐったい・・・」イッた後のセバスチャンは、やたらとキスをしたがるのだ。
 いつも、セバスチャンからばかりなので、気マグレでシエルから、キスを求めてみた。
 自分の中で熱い欲望を弾けさせたセバスチャンが、愛しくて堪らないから・・・
 大人で悪魔のセバスチャンが、「只の契約者」、若しくは、「エサ」でしかない子供の自分と、肌を重ねて、何が面白いのだろうか?
 いつもシエルは考える。
 黒ミサでセバスチャンを呼び出す為にだけ、生かされてた自分は、穢れきっている。
 悪魔は女と契約する際、契約の完了時には、処女を求めると何かの書物に書いてあった。
 ならば、自分を抱くセバスチャンの本意は、何処にある?
 子供であっても、男だから穢れていても良いのか?
ぐったりとしていても、ファントム社の社長であるシエルは、思考回路だけには、自身がある。
 自分では、ボタンの一つも止められないし、外せない・・・セバスチャンがいなければ、何も出来ない自分。
 甘えきり、頼りきり、何も出来ない自分に歯痒さがあるが、執事が主を世話するのは、当たり前・・・どんな命令も逆らう事など許されない。
 主から離れる時以外は・・・
 「心ここにあらずですか、坊ちゃん?」フゥッとセバスチャンに溜息をつかれた。
 「違う!色々と考えていただけだ・・・娘の為にはどんな手を使っても、お前を手に入れ様としたブラウン男爵の様に、これからも、僕とお前を引き離そうとする輩が増えるのかと思って・・・」シエルはうっかりと本音を漏らし、耳まで真っ赤にしていた。
 「嗚呼・・・可愛らしいですね、そんな事を心配なさってらっしゃったのですか?大丈夫ですよ、私が必ず守って差し上げますよ。それ程、御心配なら、不安を除く為にも、貴方の心を蕩けさせて差し上げますよ。もっともっと何度でも、愛して差し上げましょう・・・」優しい微笑みで、シエルを見つめるセバスチャン。
 そんな顏を見せられると、ドキリとしてしまうシエル。
 「何とか理由を付けて、僕を欲しがるんだな・・・仕方無い奴だ・・・お前の気が済むまで、抱けばいい・・・僕はお前のモノだから・・・」自分で動くのも、おっくうなのに、せめて自分から、セバスチャンを求めていると意思表示したかったのだ。
 自分もセバスチャンが欲しいのだから・・・
 子供だから、契約者だから、求めてはいけないと思っていたから。
 しかし、偶には、夢見てもいいかと思った。
 例え、愛を囁くセバスチャンの言葉は、人を闇に堕とす悪魔の囁き、誘惑だとしても、一度だけ自分から、求めてみたかったのだ。
 三年も誰の魂も喰わず、飢えたままの悪魔を愛してしまったから・・・
 悪魔だからと言って、全てが見える訳でも、どんな人間の未来でも見える訳ではない。
 それは「神のみ」の力であり、人間を駒としてゲームをしている様な存在だから・・・
 悪魔は只、魂を喰らう為に努力するだけ。
 契約者の望みと引き換えに、対価として、魂を喰らうだけの存在だから・・・
 シエルの望みは、いつ叶うのかは、セバスチャンには解らない。
 復讐すべき本当の相手を知りえても、シエルに全てを教える訳には、いかない。
 シエルが自分の手で、復讐すべき相手に辿り着くまでと決めたから。
 今までならば、一年もたたずに契約を終えていたのに・・・
 自分はどうしてしまったのだろう・・・