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九条静音の黒執事妄想劇場
セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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アニメⅡ補完小説「白薔薇の呪縛」
　「イエス・マイロード」　　　　　　　　　　　　　　　　NO.1
　セバスチャンは、いつもの常套句を口にして、黒い翼を広げ、薔薇の咲き乱れる崖から、飛び立った・・・
　シエルはいつになく、セバスチャンの首にしっかり手を回し、抱きついている。
　人間であったシエルの行動なら、セバスチャンの口には、ニッコリと音がする程の頬笑みが浮かぶのだが、悪魔となったシエルに対して、何の感情も抱けなくなっていたセバスチャンだった。
　「フフ・・・冷たくなったな・・・セバスチャン」シエルの言葉は、セバスチャンを呪縛して、自由を奪ってしまう。
　「言いたい事がおありなのでは?坊ちゃん・・・」セバスチャンも嫌味を言う。
　シエルの魂を喰らう契約だったから、誠心誠意仕えてきた。
　今更、悪魔になったからと、御褒美も貰えなくては、何の為に人間に傅いたのか・・・
　「言いたい事は、あり過ぎだな・・・この嘘吐きめ・・・やっぱりお前は、悪魔だ・・・僕も同じになったから、全て解ってしまう・・・この裏切り者!」シエルの怒りは、表面化した。
　長く伸びた黒い爪が、セバスチャンの肩に突き刺さって、血が滴り落ちた・・・・・
　「ツゥ・・・」セバスチャンが僅かに呻く・・・
　「美味いぞ、お前の血は・・・僕の魂が喰えないのなら、僕の血を飲めば良い・・・悪魔とは、どんなに浅ましい存在か・・・」シエルは自分の行動に嫌悪した。
　「もうすぐ、私の城に着きます。少し、大人しくしていて下さい。」セバスチャンは好き勝手しているシエルに怒りすら感じた。
　「うるさい!下僕が主人に指図する気か?美学はどうした?お前が間抜けだから仕方ないだろうが!」シエルも、怒りを感じ、益々、肩に爪が突き刺さる。
　痛みと共に、セバスチャンの血はボタボタと流れ落ちていく。
　シエルの怒りは、もっともな事だ。
　セバスチャンとの契約は終わり、人間としてのシエル・ファントムハイヴとしての人生は終わり、魂を喰われた後は、消滅し、無の存在となる筈だったから・・・セバスチャンがシエルにキスしょうとして、クロードに魂を掠め取られるまでは・・・
　「坊ちゃんの怒りは、後でゆっくりと・・・さぁ、私の城です。」
　セバスチャンは、執事としての冷たい表情しか見せなかった。
　「もういい、さっさと寝室に連れて行け!」シエルの意図が読めないセバスチャンだった。
　人間らしくする必要のなくなったセバスチャンは、魔力で寝室を整えていた。
　シエルの人間界での寝室となんら違和感のない寝室・・・セバスチャンは、途方もない魔力を秘めた上級な悪魔なのだ。
　そんなセバスチャンすら、傅かせるシエル・・・　　　　　　　　　　　　　　　　NO.2へ
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[2010/09/25 21:54] | 白薔薇の呪縛 | トラックバック(0) | コメント(0)
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