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九条静音の黒執事妄想劇場
セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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「2月3日のSentimentalisme」素敵な頂き物♥
    「フォレ・ノワール」様よりの素敵な頂き物更新しました(^-^)
    セバシエR-18ファントムハイヴ家の節分は・・・
    ある文学小説を参考にしています。
    
    白様ありがとうございました。
    

        「2月3日のSentimentalisme」
<一匹の鬼が厩舎の前で雨闇を遣り過ごしていた。
鬼と云っても赤鬼青鬼と云った聊か剽軽さを感じる様な存在ではなく、一種の負の霊体とも云うべきものだった。が、霊体でも節分の豆で追われるのが嫌なのには違いなかった。
鬼は揺曳しながらイギリスの夜に辿り着いた。雨止みを待っても、如何するという当てはなかった。>


「ドラジェ、でございますか?」

 セバスチャンは造り付けになっている食器棚に白い皿を直しながら、入り口のシエルを振り返った。

 階下へ来ては、いけませんよ。

 そんな諌止は小さな一歩に軽々と乗り越えられる。セバスチャンは手にした皿を洗い籠に戻して、シエルのほうへ歩み寄った。

「行事だ」

 アームバンドを外して袖を伸ばし、主人の前にしゃがむ。

「ドラジェを、撒く…?」
「いいや」

 毎年2月3日に、自分の故郷では豆撒きをして邪を払う。
 タナカはシエルにそう教えて、元気よく豆を撒かせたあと、年の数だけ食べさせていたのだが、いつしかそれがドラジェを食べる日、という甘い行事に変わっていたのだった。

 今日は、ドラジェの日だ。

 そう言うシエルの前で、セバスチャンは、ふむ、と考えながら解けかかっているリボンタイを直してやった。

「夜にご年齢の数だけドラジェを召し上がるというのは、少々多いかもしれませんね」

 結婚式で配られるドラジェには、「幸福」や「健康」といった意味がある。無病息災を願う意味で節分の豆と似ているが、食べ過ぎになってしまっては逆効果だろう。

「じゃあ、他のものでもいい」
「…わかりました。ご用意致します」

 シエルを見送りながら、セバスチャンは肩を竦めた。

 ドラジェ、遠ざかる肢体、小さな臀部、ねだる顔。
 オーバーラップする心象に、歪む口元を押さえる。


<此処に居れば、豆の音は追いかけて来ない。
安心すると、雨天雲脚の下、此国では人々がどんな暮らしをしているのだろうかと覗いてみる気になった。
厩舎や温室や花壇が島嶼の様に控えている中に、城の様な屋敷があった。屋敷は静かだったが、夕餉の時刻が迫ると食堂らしき部屋に明かりが灯され、人々の話し声が聞こえてきた。>


「坊ちゃん、豆撒きの準備が出来ました」

 食後の紅茶を飲み終えたところで、セバスチャンが厨房から戻ってきた。
 二つの器を乗せた銀のトレイを、恭しくシエルの前に置く。器はマイセンクリスタルのグラスで、赤いほうには炒った大豆が、青いほうには金平糖が入れられていた。

「お召し上がりになる分と、鬼を払う分でございます」
「撒くのは、いい」

 シエルはグラスのエングレーブに手を触れながら、少し目を逸らして言った。

「折角ですから…」
「では、タナカに撒かせてやれ。僕は…いい」

 邪を払って、お前が出て行ったら、困る。

 そんな声が聞こえたように思ったのは、過信というものだろうか。

 セバスチャンは、花模様をなぞる手にそっと自分の手を重ねて囁いた。

「…では、金平糖だけお召し上がり下さいませ」
「…」
「お口に入れて差し上げます。福が来るように」
「…っ」

 手袋を外し、グラスの中身を持ち上げる。シエルは観念して目を閉じ、僅かに唇を弛緩させた。

「ん…っ」

 唇に触れたのは、指よりも柔らかいものである。

 セバスチャンが咥えた甘い一粒を舌で受け取り、唇を塞がれながら味わう。

「…はぁっ…」
「もう一粒」

 目を開けたシエルの前で、唇の月牙に白い金平糖を咥える。

(…11…10…9…)

 頭の中で、残りの数を数えた。

 口付けを交わしながら、過去の一つひとつが慰められている、そんな気がした。




<鬼は窓から中の様子を覗き、はっと首を縮めた。
身体の中を、霆撃が走り抜けた様に思った。豆をぶつけられるより、大きく動揺した。

自分と同じ負の者、口に咥えた朏魄のような金平糖。

鬼は身体を伸ばして、もう一度中を見た。>


 最後の一つはなかなか溶けようとしなかった。

 ゆっくりと、そのごつごつした感触を味わう。ごつごつが滑らかになり、ざらざらになり、舌の上に散る。

 セバスチャンはシエルの前に跪き、ズボンの前を開けて愛撫を始めた。

「ん…あっ…」

 柔弱に血が巡り、固く張りつめ、舌の上で白いものを散らす。

「良い春を迎えられました」
「馬、鹿…」
「ふ…彼の国では、遊女に太巻きを咥えさせる猥褻な遊びもあった、とか…、全ては、『春を迎える』ためでございましょう」
「…」

 シエルはふと、何のために節分に豆撒きをしたいと願ったのかと考えた。

 ドラジェが、楽しみだったからか。

 最初は、そうではなかった。

 恐らく、家の中に悪いものが入ってこないように、お父様とお母様に幸福が訪れるように…そう思って始めたのだ。

「部屋に行く。お前は厨房を片付けてから来い」
「御意」

 シエルが出て行くと、セバスチャンは「さて…」と呟いて、窓の一つを勢いよく開けた。


―豆撒きをしないと、本当に鬼がやって来るのですね
―…
―…
―何故…
―しなければ、飢え死にします
―其の事ではない…
―…も、なければ飢えます…

「覗かないのならば、其処で夜明かしをされても構いませんよ。当家の家令があとで、豆を撒くかもしれませんが」

 セバスチャンは微笑んで、窓を閉めた。

 鬼は肩を竦め、月の無い空を見上げた。



「遅かったな」
「鬼がおりましたので」

 怪訝そうなシエルの表情に覆い被さり、再びズボンのベルトに手をかける。

「…セバス、チャン…」

 シエルの口の中にはまだ、甘味が残っていた。

「は…ぁ…」

 糸を引く唇を見つめ、燕尾服の襟を両手で掴む。

「僕に福が来るようにと…言ったな」
「…ええ」

 僕も、お前の幸福を願っていいか、と。

 笑われる気がして、口には出さずに、そっと、黒い肩に額をつけた。

「…いっぱい、しろ」
「坊ちゃん」
「…お前の、好きなように」
「…できませんよ、そんな乱暴には」

 場を弁えず食堂で始めた、自分の性急さをそっと閉め出す。

「ふ…乱暴なのが、好きか?」
「貴方が乱れ、悶えて下さるのが一番です」

 服を脱がせ、雪白の肌に齢の数よりも多い口付けを落とす。
 その舌で指先を濡らし、身体の奥を優しく掻き混ぜる。

「あ、ん、ん…っはぁ、そんな…っ、や…あっ」
「指だけで、こんなに…?」

 シエルが苦しくないように、丁寧に秘部を押し広げる。

 左脚を持ち上げ、左胸の突起を弄びながら自分自身を挿入する。
 突き上げながら、左の大腿でシエルのそれを圧迫する。
 難しい体位だが、セバスチャンの逞しい性器はしっかりとシエルの奥に届いていた。

「っあ、あ、い、ひっ…く、セバス、チャン…ッ!す、ご…りょうほ、あっ…!」
「相変わらず狭いですね…こんなにすると、裂けてしまいそうだ…ほら」
「ああっ…、か、くど、変えちゃ…っ!そこ、もう、っく…!」
「ココがお好きなのでしょう……っふ…狭いのは変わりませんが…この先端が少し、ご立派になられたようですね?」
「やっ…そ、こ、ぐりぐりしな…で…っ」
「ぐりぐりされて、こんなに熱くなっているくせに…、嗚呼、抜くときと突くときと、どちらも気持ちいいという顔ですね…」
「そ、んな…こと、ああっ…」
「ふ…いつからそんなに、淫乱になられたのです?ほら、また、そんな顔を…」
「あっ、あっ、や、め、そんなに、強…、セバッ…い、いく、いく…っ」

 胸の突起と身体の奥、自分自身を同時に刺激され、シエルは先程より多量の白い液体を放出した。

 自分の中に、どくどくとセバスチャンの精が注がれているのを感じた。

(僕に幸福が訪れるときは、いつも、こうして分かち合えればいい。…)

 セバスチャンは自分自身を抜かないまま、シエルの身体に沈み込んだ。


 鬼の行方は、誰も知らない。


END

image:芥川龍之介『羅生門』

(2012/02/01 UP)